しかし…パンデミック前より“家計の負担”はまだ重いまま
~Zillow 2025年10月レポートより~
アメリカの賃貸市場で、ついに明るいニュースが出てきました。
Zillow の最新データによると、大半の大都市で収入の伸びが家賃上昇を上回る ようになってきました。
ただし、それでも「家賃が高止まり」しており、家計に占める住宅コストはパンデミック前より依然として重い という現実も残っています。
📊 全米の家賃上昇はわずか2.3%
一方、収入は4%増加へ
2025年10月時点のデータ:
- 全米の家賃上昇率:+2.3%(前年比)
- 全米の家計収入上昇率:+4%
なんと、50大都市中37都市で収入の伸びが家賃を上回る 結果に。
これは数年ぶりの改善トレンドです。
💡 家賃比率は改善したが…まだパンデミック前より高い
新しく借りる世帯を基準にすると:
- 家賃負担比率:27.2%
(パンデミック前は 26.3%)
つまり、改善したとはいえ まだ例年より負担が大きい と言えます。
🟢 家賃が下がった都市:負担改善が最も進む
家賃下落で最も恩恵を受けている市場:
- オースティン:−3.1%
- デンバー:−2.1%
- サンアントニオ:−0.8%
- フェニックス:−0.7%
供給が増えている都市ほど、家賃が下がり“借り手優位”に動いています。
🟡 家賃は上がっていても「収入の伸びが勝つ」都市も
一部のハイテク都市では家賃は上昇中ですが、収入の伸びの方が大きい ため、負担は軽くなりました。
例:
- サンノゼ(San Jose)
→ 家賃上昇中だが、収入はさらに高い伸び
テック市場は相変わらず強いようです。
🔴 逆に「家賃>収入」のまま悪化した都市も
Zillow によると、12都市では家賃上昇率が収入増加を上回り、負担はむしろ重くなっています。その中には高コスト都市だけでなく:
- ニューヨーク
- サンフランシスコ
- シカゴ
- セントルイス
- ミルウォーキー
- クリーブランド
など、比較的割安な都市も含まれます。
🎁 史上最高レベルの“入居特典(コンセッション)”
空室を埋めるため、大家は大サービス競争に
新築が多く供給されている市場では空室率が上昇し、大家側が 特典(フリーレント、手数料ゼロなど) を多く付け始めています。
Zillow のデータ:
- 39%の賃貸物件が何らかの特典付き(10月時点で史上最高)
特典が半数以上あった都市:
- ダラス(60.5%)
- ワシントンDC(56.5%)
- アトランタ(56.0%)
- フェニックス(57.0%)
- シアトル(54.3%)
- デンバー(67.5%)
- オーランド(51.7%)
- シャーロット(62.5%)
- サンアントニオ(54.4%)
- オースティン(62.0%)
- ラスベガス(51.3%)
- ナッシュビル(63.0%)
- ラーレー(63.7%)
- ソルトレイクシティ(61.0%)
特に デンバーやラーレー、オースティンは60%超え と、完全に“借り手市場”になっています。
🧭まとめ:アメリカ賃貸市場は“改善と重さ”が同居
✔ 収入が家賃上昇を上回る都市が大多数
✔ とはいえ、家賃負担はまだパンデミック前より高い
✔ 供給過多の市場は家賃下落&特典祭り
✔ 逆に、一部都市では負担がさらに悪化
アメリカ賃貸市場は、「正常化に向かう流れ」と「高止まりコスト」という二つの力 が同時に働いている状況といえます。
不動産投資家にとっては、「供給・空室・特典・所得の伸び」の4つをセットで見ることがますます重要になりそうです。