米国サンベルト地域の住宅市場が大きな転換期を迎えています。これまでの「売り手市場」から一転、在庫増加・売却日数の長期化・買い手減少が目立つようになりました。
📉 住宅供給が急増
- フロリダ州の在庫:前年比**+34%**(2025年2月時点)
- 販売までの日数:平均73日(前年より約1週間長い)
- 米南部・西部9州:2019年以前の水準を超える在庫量に
Bloomberg Intelligenceのアナリスト、ドリュー・リーディング氏は
「コロナ前を超える在庫水準は、売り手市場からの決定的なシフトを示す」
とコメントしています。
💸 高騰するコストが市場を圧迫
1️⃣ 金利の高止まり
- 住宅ローン金利が高水準で推移し、買い手のローン負担が増加
- 低金利で借りた既存のオーナーが動かず、供給制限が続いていましたが、最近は金利低下を待たず売却する動きが増加
2️⃣ フロリダの保険料問題
- 気候変動による自然災害の頻発
- WUFTの調査では、保険料が高騰し、保険加入が難しいケースも
- 結果:フロリダの人口増加が鈍化
- 2022年:314,476人増加
- 2023年:185,067人
- 2024年:64,017人(激減)
🚚 買い手は他州へシフト
📊 フロリダ州外からの購入希望者割合
- 2023年2月:50.4%
- 2024年2月:45.1%(5ポイント減少)
人気の移住先
フロリダから離れる人の48%は次の州に注目:
✅ テキサス、ジョージア、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テネシー
- これらの州はより安価な住宅価格
- 自然災害リスクも比較的低い
🏔️ 西部の動向:コロラド州でも変化
- コロラドスプリングス
- 4月:新規物件+15.6%
- 5月:+13.2%
- コロラド州全体
- 新築・中古物件在庫:前年同期比**+51%**
- 過去2年比:+110%
✍️ まとめ
- サンベルト住宅市場は「在庫増・買い手減」のダブルパンチ
- フロリダ州は特に保険料問題・人口流入減が影響
- 買い手はテキサス・ジョージアなど他州に移動
- 今後の焦点は金利動向と気候リスク対応