米動画配信大手の Netflix が、ロサンゼルスの歴史ある映画スタジオ「Radford Studio Center」を約4億ドルで取得する契約を締結したと報じられました。
驚くべきはその価格です。
このスタジオは2021年に約18億ドルと評価されていましたが、今回の売買価格はわずか4億ドル。実に約78%の下落となります。
ハリウッドを代表するスタジオ
Radford Studio Centerは約55エーカー(約22ヘクタール)の敷地に、約110万平方フィート(約10万㎡)のスタジオ施設を有しています。
過去には人気テレビ番組
- 『Seinfeld(となりのサインフェルド)』
- 『Gilligan’s Island(ギリガン君SOS)』
などの撮影が行われたことで知られています。
なぜここまで価格が下落したのか
背景には、
① 金利上昇
2022年以降の急激な金利上昇により、商業用不動産全体の資金調達環境が悪化。
② コンテンツ制作の減少
ストリーミング各社は近年、加入者数の伸び鈍化を受けて新規制作を抑制。
さらに脚本家・俳優ストライキの影響もあり、スタジオ需要が大幅に低下しました。
この物件は2024年時点で収入が借入金利息の21%しかカバーできない状態となり、事実上の債務不履行(デフォルト)に陥っていました。
オーナーも苦戦
前所有者である Hackman Capital Partners は、同社が保有する MBS Media Campus に関連する2億5,800万ドルのローンでもデフォルトしており、スタジオ不動産市場の厳しさが浮き彫りになっています。
同社CEOは「スタジオ所有者にとって非常に厳しい時期だ」とコメントしています。
Netflixはなぜ購入するのか
Netflixはこれまでスタジオを借りる戦略を中心としていました。
しかし現在は、
- 制作拠点の集約
- 長期的なコスト削減
- コンテンツ制作の安定化
を目的に、自社所有施設の拡充を進めています。
同社は現在、Fort Monmouth(ニュージャージー州)でも約10億ドル規模の新スタジオ建設を進めています。