米国住宅市場で興味深い動きが出ています。
不動産仲介大手Redfinによると、2026年4月に全米で売り出されていた住宅のうち5.8%が市場から取り下げられました。これはコロナショックで住宅市場が停止した2020年3月以降で最高水準となります。
住宅ローン金利の高止まりやガソリン価格の上昇、消費者心理の悪化などにより、買主の動きが鈍化。売主が希望する価格で売れず、「それなら売却をやめよう」と判断するケースが増えています。
特に取り下げ率が高かった都市は、
✅ アトランタ:11%
✅ サンノゼ:9%
✅ ロサンゼルス:7.8%
✅ ダラス:7.8%
✅ シアトル:7.7%
となっています。
一方で、市場全体が急激に悪化しているわけではありません。
全米不動産業者協会(NAR)によると、4月の住宅売買の停止した契約件数(Pending Sales)は前月比1.4%増加しました。また住宅在庫も前月比約6%増加しており、買主にとっては選択肢が増えています。
しかし、市場に出た住宅が以前より長期間売れ残るケースも増えています。そのため、一部の売主は売却を諦めて物件を取り下げる一方で、春の売買シーズンに合わせて再び市場へ戻す動きも見られます。
実際、4月に売り出されていた住宅の2.5%は「再売出し物件(Relisting)」でした。これは2020年以来の高水準です。
現在の米住宅市場は、「売れないから値下げする」ではなく、
「売れないから一度引っ込めて、タイミングを見て再度売り出す」
という売主が増えている状況です。
アメリカ不動産市場はコロナ後の異常な売り手市場から、徐々に正常化へ向かっています。今後の焦点は住宅ローン金利の動向です。