米国政府の最新データによると、マイアミ都市圏の生活費が、初めてニューヨーク都市圏を上回りました。
ただし、ここでいう「ニューヨーク」は、マンハッタンだけを指すものではありません。
■比較している地域はどこ?
今回比較されたのは、次の2つの広い都市圏です。
【ニューヨーク都市圏】
・ニューヨーク市
・マンハッタン
・ブルックリン
・クイーンズ
・ブロンクス
・スタテンアイランド
・ニュージャージー州ニューアーク、ジャージーシティ
・ニューヨーク近郊の通勤地域
などを含む、New York–Newark–Jersey City都市圏です。
【マイアミ都市圏】
・マイアミ
・マイアミビーチ
・フォートローダーデール
・ウェストパームビーチ
・周辺の南フロリダ地域
などを含む、Miami–Fort Lauderdale–West Palm Beach都市圏です。
したがって、「マイアミ市がマンハッタンより高くなった」という意味ではありません。
マイアミ周辺とニューヨーク周辺を、それぞれ広い生活圏として比較した結果です。
■マイアミ都市圏がニューヨーク都市圏を上回る
米国商務省経済分析局(BEA)は、全米平均の物価水準を100として、地域ごとの生活費を比較しています。
2024年のデータでは、
・マイアミ都市圏:114.155
・ニューヨーク都市圏:112.563
となりました。
両都市圏とも全米平均より生活費が12~14%程度高く、マイアミ都市圏が初めてニューヨーク都市圏を上回りました。
差は大きくありませんが、かつてニューヨークより割安と考えられていたマイアミが、同じ水準を超えたことに意味があります。
■なぜマイアミの生活費が上がったのか?
大きな要因は、新型コロナ以降の人口と企業の移動です。
フロリダ州には州の個人所得税がありません。そのため、ニューヨーク州やカリフォルニア州から、富裕層、企業経営者、金融会社などが相次いで移転しました。
人口と資金が流入したことで、マイアミの住宅需要が急増しました。
2019年以降、マイアミ周辺の住宅価格は約79%上昇しています。
さらに、
・住宅保険料
・固定資産税
・マンション管理費
・私立学校の授業料
・レストランなどの外食費
も大きく上昇しました。
特にフロリダ州では、ハリケーンや建築費上昇の影響によって住宅保険料が非常に高くなっています。
■「州所得税がない=生活費が安い」とは限らない
フロリダ州に州所得税がないことは、富裕層や高所得者にとって大きなメリットです。
しかし、住宅価格、保険料、固定資産税、管理費などが上昇すれば、所得税で節約できる金額が、住宅関連費用で相殺される可能性があります。
特にコンドミニアムでは、保険料や修繕積立金、管理費の上昇にも注意が必要です。
■マイアミ不動産は今後どうなる?
マイアミは、温暖な気候、州所得税がないこと、中南米との国際的なつながりなど、ほかの都市にはない魅力があります。
そのため、生活費が上昇しても富裕層や企業の移転が完全に止まるとは限りません。
一方で、中間所得層にとっては、マイアミで住宅を購入したり借りたりする負担が、非常に重くなっています。
今回のニュースは、マイアミが「ニューヨークより安く暮らせる都市」から、全米有数の高コスト都市へ変化したことを示しています。
不動産投資では、物件価格や賃料だけでなく、保険料、固定資産税、管理費などを含めた実際の保有コストを確認することが、ますます重要になっています。