米国と台湾が、相互の関税を引き下げる新たな貿易合意に達しました。焦点は「米国内での製造強化」。台湾企業による米国内の半導体・テクノロジー製造やサプライチェーンへの投資が、最大5,000億ドル規模にのぼる可能性があるとされています。
合意のポイント
今回の発表で示された骨子は主に次の3つです。
- 台湾企業に「少なくとも2,500億ドルの直接投資」を求める
米国内の半導体、エネルギー、AI関連の事業拡大が対象とされています。 - さらに「2,500億ドル以上の信用保証(クレジット・ギャランティ)」で追加投資を後押し半導体サプライチェーン拡大の支援を含むとされています。
- 多くの品目で関税率を“15%上限”に米台間で取引される多くの商品に対し、関税率の上限を15%とする合意が盛り込まれました。
半導体は“例外枠”も:投資企業は一部の輸入半導体が関税免除に
注目点として、米国で投資を進める台湾の半導体メーカーは、一部の半導体輸入が(国家安全保障関連の特別関税ルールで)関税免除になる可能性がある、とされています。投資を呼び込むための“アメ”が用意された形です。
医薬品は引き下げ:ジェネリック医薬品などは関税0%へ
さらに、台湾から輸入されるジェネリック医薬品および原料について、米国は関税を0%に引き下げる方針も示されています。
どこに工場ができる?「新たな工業団地に集積」構想
投資の進め方としては、米国内の新しい工業団地(industrial parks)に開発・製造拠点を“クラスター化(集積)”させる計画が示されています。
ただし、投資の具体的なタイムライン(いつまでにいくら、など)は明記されていない点もポイントです。
TSMCも追い風:アリゾナ投資がさらに拡大の可能性
台湾企業はすでに2025年から米国投資を加速しており、たとえばTSMC(台湾積体電路製造)は以前に1,000億ドルのコミットメントがあったことにも触れられています。今回の合意を受け、アリゾナでの投資拡大が続く可能性が報じられています。
アメリカ側も支援:土地・インフラ・税優遇・ビザ支援まで
米国側は、台湾企業が投資を実行しやすいように、土地提供、ユーティリティ(電力など)インフラ、税制優遇、ビザ支援を用意するとしています。
“工場を作ってください”だけでなく、“作れる条件も整えます”というセット提案に近い印象です。
半導体とAIの覇権争いが続く中で、今回の合意は「サプライチェーンを米国内に寄せる流れ」をさらに強めそうです。