価格はしばらく「横ばい〜弱含み」が続く可能性
アメリカの住宅価格が、2年以上ぶりに前年を下回りました。
不動産データを分析する Parcl Labs の高頻度データによると、全米の住宅価格は直近3か月で ▲1.4% 下落しています。
これは、コロナ禍以降続いてきた価格上昇トレンドが、いよいよ一服してきたことを示しています。
📉 住宅価格が下がり始めた背景
今回の価格調整の大きな要因は、住宅ローン金利の高止まりです。
2022年〜2023年にかけて、30年固定住宅ローン金利は 約4% → 7%超 まで急上昇。
これにより、
・購入できる層が大きく減少
・住宅販売件数が低迷
・売主が価格を見直さざるを得ない状況
が生まれました。
Parcl Labsの共同創業者 Jason Lewris 氏は、「住宅ローン金利の急上昇は“購入余力ショック”を引き起こした。需要減少と在庫増加が重なると、全国的な価格調整が起こりやすい」とコメントしています。
🏠 在庫は増えているが、新規売出しは限定的
Realtor.comによると、・アクティブ在庫:前年同月比 +13%・新規売出し物件:前年同月比 +1.7% と、「在庫は増えているが、売主は積極的に売り出していない」
という状況です。
また、売れないために市場から物件を取り下げる売主も増加しています。
📍 価格下落が目立つ都市
地域によって価格動向は大きく異なっています。
価格下落が目立つ都市
・オースティン(TX):▲10%
・デンバー:▲5%
・タンパ、ヒューストン:▲4%
・アトランタ、フェニックス:▲3%
特に、コロナ禍で価格が急騰した都市ほど調整幅が大きい 傾向です。
📈 逆に価格が上昇している都市も
一方で、価格が上昇している都市もあります。
・クリーブランド:+6%
・シカゴ、ニューヨーク:+5%
・フィラデルフィア:+3%
・ピッツバーグ、ボストン:+2%
雇用基盤が安定している都市や、供給がもともと少ないエリアでは底堅さが見られます。
🏗️ 新築市場も依然として弱含み
政府機関の一部閉鎖の影響で、最新の住宅着工・建築許可データは不足していますが、住宅ビルダー各社の決算では、
・需要は依然弱い
・販売促進のためのインセンティブが必要
・住宅建設業者の景況感はマイナス圏
という声が続いています。
全米住宅建設業協会(NAHB)は、「2025年は着工減少、2026年にわずかな回復」
と予測しています。
🔮 今後の見通し
住宅ローン金利はここ3か月、ほぼ横ばいで推移しており、FRBの利下げにも大きく反応していません。
そのため、
✔ 価格が急落する可能性は低い
✔ ただし、コロナ期のような急上昇も期待しにくい
というのが市場の見方です。
Parcl Labsは、「今後は前年比±数%の範囲で上下する “ゼロ近辺の価格推移”が続く可能性が高い」と分析しています。
✍️ まとめ
・米国住宅価格は 2年以上ぶりに前年割れ
・急落ではなく「調整局面」
・都市ごとの二極化が鮮明
・今後のカギは 住宅ローン金利と景気動向
アメリカ不動産は、「どこでも値上がりする時代」から「エリア選別の時代」へ完全に移行 しています。