米商業不動産市場は「回復フェーズ」に突入
米大手不動産サービス会社 コリアーズ(Colliers) が発表した2026年 商業不動産アウトルック によると、アメリカの商業不動産市場は2026年にかけて、
✔ ファンダメンタルズの安定
✔ 投資家心理の改善
✔ 取引量が15〜20%増加
といった 回復基調 が鮮明になる見通しです。
価格は概ね底打ちし、キャップレートと金利の関係も正常化しつつあるとされています。
🏘 マルチファミリー(集合住宅)
2026年は空室率改善、本格的な賃料上昇は2027〜28年へ
マルチファミリーは引き続き全セクターで最も取引量が多い分野。
- 住宅価格が高止まり
- 新規供給が限定的
という環境を背景に、2026年は稼働率がさらに改善 すると予測されています。
一方で、
✔ 人件費・保険料・修繕費の上昇
✔ オペレーション効率の改善
✔ 入居者の定着率向上
が運営面の重要テーマ。
新規開発は「中間所得層向け物件」に絞られ、本格的な賃料上昇は2027〜2028年にかけて加速 する見通しです。
🚚 インダストリアル(物流・工業系)
建設は底、需要は拡大。空室率低下が鮮明に
インダストリアルは非常に明るい見通しです。
- 建設中スペースは 2022年比で62%減少
- ほぼサイクルの底に到達
一方で需要は、
✔ 物流
✔ 製造業
✔ データセンター
✔ R&D(研究開発)
と幅広く拡大。
👉 2026年の純吸収量は2.2億SF超(2025年比 +37%)
CHIPS法などの政策、リショアリング(国内回帰)が追い風となり、賃料上昇は 年1〜4%の安定成長 が見込まれています。
🏢 オフィス
空室率は18%割れへ、AI企業が需要を牽引
オフィス市場も徐々に改善。
- 2026年末には 空室率18%未満 へ
- 新規供給は限定的
AI関連企業が主要都市で賃貸需要を押し上げ、ハイブリッドワークに対応した
✔ テック対応
✔ フレキシブル設計
✔ ホスピタリティ要素
を備えたオフィスが選ばれています。賃料は 年1〜2%の緩やかな上昇 見通し。
🛍 リテール(商業施設)
新規開発は少なく、安定運営が継続
- 建設費・金利高で新規開発は限定的
- 空室率は横ばい
- 賃料は 約1.5%上昇
特に 南部・西部エリア が好調。
AI活用や「体験型店舗」による集客が進み、低価格志向 vs 高級志向の二極化 が進んでいます。
🖥 データセンター
空室率は歴史的低水準、最大の制約は「電力」
AI需要の急増により、✔ 空室率は極めて低水準✔ 賃料は上昇基調
一方で、電力供給の制限 地域住民の反対 が新規開発の制約に。
投資家の関心は非常に高く、CMBSやプライベート資本が積極的に流入しています。
🏥 ヘルスケア不動産
医療は「分散型」へ、稼働率は92.5%
医療施設は病院集中型から、
✔ 医療オフィス(MOB)
✔ 外来センター
✔ 日帰り医療施設
へと分散。
- 稼働率:92.5%
- 賃料上昇:約 2%
AIやIT導入による効率化が進み、投資家需要は引き続き堅調。
🧬 ライフサイエンス
2026年は回復の兆し
- 空室率は依然高め
- ただし新規供給は限定的
オンショア回帰、AI研究、VC資金の回復により、GMP施設(超高規格な製造施設)などで吸収が進む可能性 が示されています。
🏨 ホスピタリティ(ホテル)
高級路線が好調、供給は抑制的
- 富裕層向け・ラグジュアリーが好調
- 中価格帯以下は価格に敏感
供給増は 年1.3%と低水準。AIによる旅行計画・地域体験志向がトレンドです。
📝まとめ:2026年のキーワード
✔ マルチファミリーと物流は「空室率低下」
✔ 市場全体は底打ち → 安定成長へ
✔ AIがすべての不動産分野に影響
✔ 新規供給が少ない分野ほど有利
2026年は「選別投資」の年。立地・用途・需給を見極めることで、大きな差が生まれそうです。