72.5万戸が予想外に入居、賃貸市場の底堅さを証明
2024年〜2025年にかけて、アメリカの**マルチファミリー市場(集合住宅)が驚きの展開を見せています。
供給過多による空室増加が懸念されていた中、なんと72万5,000戸が入居済み(吸収)**となり、ほぼ誰も予測していなかった水準に達しました。
Walker & DunlopのCEO、ウィリー・ウォーカー氏はこう語ります。
“Nobody predicted this. The only reason is single-family has become so unaffordable.”
(誰も予想していなかった。理由は一戸建てがあまりに高くて買えないからだ。)
つまり、住宅価格の高騰により購入を諦めた層が賃貸に流入し、結果として空室が想定以上に埋まっているのです。
📈全米の稼働率は96%へ回復、地域差も鮮明に
全米平均の稼働率は96%前後まで戻りましたが、都市によって温度差があります。
特にテキサス州オースティンでは供給が多く、稼働率がまだ86%前後。
ただしウォーカー氏は、「オースティンのような都市は今こそ投資チャンス」と指摘します。
“When it gets to 90% or 94%, cap rate will come down.”
(稼働率が90~94%に戻ると、キャップレートは下がる=価格は上昇する)
つまり、今の低稼働=将来の上昇余地があるという見方です。
🏗️供給減少と家計構造の変化が追い風に
2024年後半から新規着工が急減しており、今後2年で供給不足が再び起こると見られています。
また、低金利ローンで住宅を購入した層が「売らずに住み続ける」ため、市場に出てくる住宅が少なくなっています。
その結果、新たな世帯形成の70%以上が賃貸に流れているとのこと。
アメリカでは「持ち家こそがアメリカンドリーム」という価値観が変化しつつあり、
ウォーカー氏はこう語ります。
“The dream needs to include renters.”
(夢の形に、賃貸生活も含まれるべきだ。)
💡投資家への示唆:今は“ローカル戦略”の時代へ
この「予想外の吸収」は、市場の基礎体力を示す一方で、地域ごとの格差も鮮明にしました。
今後は以下のような戦略が重要になりそうです。
- 成長都市(例:オースティン、フェニックス、ナッシュビル)での中長期投資
- 一時的な空室率低下を“仕込みのタイミング”と見る視点
- 供給減少による2026年以降の賃料上昇に備える
「市場は地方ごと、タイミングごとに異なる」——まさに今こそ、地場経済と需給の読みが問われています。
🧭まとめ
- 予想外の需要増で72.5万戸が吸収、空室懸念を一掃
- 戸建て高騰で賃貸需要が急増
- 2025〜2026年は供給不足・賃料上昇の可能性
- オースティンなど一時的に低迷する都市は将来の投資チャンス
アメリカ不動産市場は一見停滞しているようで、実は**「賃貸主導の新サイクル」**に入っています。
住宅購入が難しくなった今こそ、賃貸マーケットへの長期投資が注目されています。