~米オフィス市場の苦境が続く~
アメリカ・メリーランド州で、世界的な不動産投資会社 Brookfield(ブルックフィールド) が所有する5棟のオフィスビルが競売により債権者の手に渡ったことが分かりました。
今回の競売は、ブルックフィールドが所有していた**1970〜80年代築のオフィスビル6棟(合計100万平方フィート/約9.3万㎡)**を対象に行われたものです。
💰 落札結果と取引概要
競売は10月31日(ハロウィン当日)にモンゴメリー郡地方裁判所前で開催され、オークショニアの Alex Cooper Auctioneers が進行を担当しました。
最終的に6棟のうち5棟は債権者(CMBS投資家グループ、受託者はWells Fargo Bank)に移転。
唯一、外部の買主が現れたのはノースベセスダ(North Bethesda)のMontrose Metro I(延床約11,000㎡)のみで、1,790万ドル(約27億円)で落札されました。
開札価格は780万ドルだったため、2倍以上の価格での売却となりました。
🏬 競売となった主な物件一覧
| 所在地 | エリア | 概要 |
|---|---|---|
| 962 Wayne Ave. | Silver Spring | 1970年代築の中規模オフィス |
| 51 Monroe St. | Rockville | ダウンタウン中心部のビル |
| 11300 Rockville Pike | Rockville | 商業エリアに立地 |
| 600 Jefferson Plaza | Rockville | 約20,000㎡ |
| 6110 Executive Blvd. | Rockville | 1970年築、20.6万平方フィート(約1.9万㎡) |
これらのビルはいずれも築40年以上で、稼働率の低下が続いていました。
🏚️ オフィスから住宅への再開発構想も
オフィス再開発を検討していた地元デベロッパー Elm Street Development は、
Executive Blvd.ビルへの入札で1,200万ドルまで競りましたが、
最終的に債権者が1,250万ドルで落札。
同社の副社長 Jason Wiley氏 は、
「この物件を解体し、アフォーダブル住宅(低価格住宅)として再開発する構想だった」
と語っています。
周辺ではすでに Tri Pointe Homes がタウンハウス開発を進めており、郡としても住宅再開発への転換を望んでいたとみられます。
📉 背景:ブルックフィールドのオフィスポートフォリオ苦戦
- 同社は2016〜2017年にかけて12棟のオフィスビルを取得し、そのうち6棟が今回の競売対象。
- 2018年に2億2,340万ドル(約337億円)のローンをCMBS(商業用不動産担保証券)化。
- 2023年4月にローンが債務不履行(デフォルト)となり、サービサーに移行。
- 2024〜2025年にかけて、ジョージア州アルファレッタおよびバージニア州アーリントンの物件も失っています。
🏦 市場の見方
アメリカのオフィスマーケットでは、パンデミック以降のリモートワーク定着と金利上昇で空室率が高止まり。
老朽化ビルを抱える大手投資会社ほど苦戦が目立ちます。
ブルックフィールドも例外ではなく、今回の競売は同社の「脱オフィス依存」転換を象徴する事例といえます。