香港の大手不動産投資会社 Gaw Capital Partners(ガウ・キャピタル・パートナーズ) が、米国および欧州での投資から段階的に撤退する方針を明らかにしました。
同社はこれまで米欧で合計約25億ドル(約3,775億円)を投じてきましたが、今後はアジア市場への集中回帰を進めるとしています。
💬 「原点回帰」へ — アジアに再び焦点
ガウ・キャピタルの会長 グッドウィン・ガウ氏 は、不動産投資専門誌 PERE に次のように語っています。
「我々の最大の強みは常にアジアにあります。
これからは原点に立ち返り、再び地元市場に注力します。」
報道によると、同社は米国および英国の人員削減を行い、これらの地域で保有する資産をできるだけ高い収益で売却する計画とのことです。
🏢 15年にわたる米欧投資の歩み
ガウ・キャピタルは2008年のリーマン・ショック後、米国不動産市場の回復局面で積極的に投資を開始しました。
- 米国向け投資ビークルを3本立ち上げ(2011〜2018年)
- **総額8億5,000万ドル(約1,285億円)**を調達
- 主にロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなど西海岸で投資
さらにヨーロッパでは、英国のオフィスビルやポルトガルのホテルなどに約**16億ドル(約2,416億円)**を投じました。
💣 投資環境の変化と撤退の背景
パンデミック以降、ガウ・キャピタルの海外ポジションは悪化。
その背景には、以下の要因があります。
- 米中間の地政学的緊張(トランプ政権期の対中政策)
- 政策の不確実性による投資リスク上昇
- 香港国内での政治的不安(2019年の大規模デモ)
これらが重なり、同社は海外での競争力を維持するのが難しくなっていました。
🎬 “Ovation Hollywood”投資の失敗
同社は逆風の中でも果敢に米国での投資を続け、カリフォルニア州ロサンゼルスの大型複合施設
「Ovation Hollywood」(旧Hollywood & Highland) をDJM Capitalと共同購入。
しかし、この案件は実質的に失敗に終わりました。
- 2024年6月:担保融資(CMBSローン)2億1,100万ドルが特別管理入り
- 2025年3月の査定では、資産価値が3億3,800万ドル → 2億5,700万ドルへ約24%下落
この結果、ガウ・キャピタルは米国市場でのリスクを再評価し、撤退を決断したとみられます。
🧭 今後の方向性
今後は、アジア域内(特に香港、中国本土、東南アジア)のオフィス・物流・データセンターなど成長セクターへの再集中が予想されています。
同社はすでに、シンガポールや韓国でも新たなファンド設立を進めており、「アジアの不動産投資ハブ」としてのポジションを再構築する狙いです。