全米の住宅市場では、2025年第3四半期に売却益が再び上昇しています。
特に以下の5都市では、前年比で大幅な利益率の伸びを記録しました。
📈 利益率が急伸した5都市(前年比上昇率ベース)
都市名 | 利益率(前年→今年) | 平均売却益 | 中間売出価格 |
---|---|---|---|
セントジョージ(ユタ州) | 26.3% → 37.2%(+10.9pt) | 約14万3,600ドル(約2,166万円/1ドル=151円) | 約62万1,000ドル(約9,387万円) |
ガルフポート(ミシシッピ州) | 26.2% → 35.7%(+9.5pt) | 約6万2,500ドル(約944万円) | 約30万6,000ドル(約4,621万円) |
オーガスタ(サウスカロライナ州) | 37.8% → 43.7%(+5.9pt) | 約7万4,300ドル(約1,122万円) | 約32万5,900ドル(約4,920万円) |
レキシントン(ケンタッキー州) | 42.9% → 48.6%(+5.7pt) | 約10万6,000ドル(約1,601万円) | 約39万8,600ドル(約6,016万円) |
デイトン(オハイオ州) | 55.1% → 60.7%(+5.6pt) | 約8万8,000ドル(約1,328万円) | 約25万ドル(約3,775万円) |
※出典:ATTOM「U.S. Home Sales Report」(2025年第3四半期)
💵 全米平均の売却利益は約18百万超
全米平均では、住宅売却1件あたりの平均利益は12万3,100ドル(約1,859万円)。
利益率は49.9%で、前期(49.3%)からわずかに上昇しました。
ただし、前年同期(55.4%)には及ばず、依然として価格高騰と金利上昇の影響が見られます。
🏘️ 地方都市が好調な理由
Realtor.comのシニアエコノミスト、ハンナ・ジョーンズ氏はこう分析します。
「これらの都市は、全米平均よりも住宅が手頃で、
大都市の価格高騰を嫌った買い手が地方市場に流れ込んでいる。
需要の増加と競争の激化が利益率を押し上げている。」
特にデイトンは“手頃な生活コストで質の高いライフスタイル”を求める層に人気。
現地エージェントのジェフ・ハウス氏も、
「物価が低く、仕事・コミュニティ・レクリエーションのバランスが良い」
とコメントしています。
🏙️ 一方で利益率が下がった都市も
利益率が下落した上位5都市は以下の通り。
フロリダ州が4都市を占めています👇
都市名 | 利益率の変化 |
---|---|
オカラ(FL) | 103.9% → 55.1% |
プンタゴルダ(FL) | 88.3% → 58.0% |
ノースポート=サラソタ(FL) | 61.1% → 38.8% |
ポート・セントルーシー(FL) | 77.8% → 56.1% |
バレーホ(CA) | 66.4% → 43.0% |
フロリダ州では、保険料や管理費(HOA Fee)の高騰、ハリケーンリスクが
価格下落の要因になっています。
🌎 全米で利益率50%以上の人口100万人超の都市は85都市
ATTOMの調査対象157都市のうち、85都市が平均利益率50%以上を維持。
中でも大都市圏では以下の都市が高い利益率を記録しました。
大都市圏(人口100万人超) | 平均利益率 |
---|---|
サンノゼ(CA) | 94.3% |
シアトル(WA) | 80.2% |
バッファロー(NY) | 80.0% |
ロチェスター(NY) | 77.3% |
ハートフォード(CT) | 75.0% |
✨ まとめ
- 全米平均利益:12.3万ドル(約1,859万円)/利益率49.9%
- トップ都市:デイトン(60.7%)・レキシントン(48.6%)など
- 地方都市が「手頃な価格」と「競争力の高い需要」で上昇傾向
- 一方でフロリダ州では保険料高騰などで価格下落
アメリカの住宅市場では、「地方の手頃な都市」ほど利益率が上がる二極化現象が進んでいます。2025年後半に向け、低金利と地方移住トレンドがどこまで続くか注目です。