全米で進むチェーン店の撤退により、ショッピングセンターの空室率が上昇し、地元の小規模ビジネスにとって好条件で商業スペースを確保するチャンスが広がっています。
📈 空室率の動向
不動産会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの調査によると、2025年第2四半期の全米ショッピングセンターの空室率は 5.8% に上昇しました。これは前年同期比で 0.5ポイント増 となり、2020年以降では高水準となっています。
ただし賃料は下落しておらず、上昇幅が縮小しているのが現状です。コロナ禍直後には年4%前後の上昇率でしたが、現在は2%程度に落ち着いています。
🏬 地元ビジネスへの恩恵
この空室増加によって、これまで価格的に手が届かなかった好立地スペースに地元ビジネスが参入できるようになりました。
サンディエゴのウェルネス経営者は「柔軟なリース条件と好立地を確保できた」と語り、対面サービスの拡大に成功。
ミシガン州のグルメフード店オーナーは「全国チェーンの撤退で空いた区画を活用し、地域性を活かした店づくりができる」とコメントしています。
また、スパや医療オフィスなど、これまでモールでは見られなかった業態の出店も増えています。
⚠️ 課題とリスク
一方で、全米の小規模ビジネスの半数以上は 6年以内に廃業 するというデータもあり、大家にとってはテナントリスクが存在します。そのため、すぐに低価格で貸し出すのではなく、信用力の高いテナントを待つケースも少なくありません。
さらに、地域差も大きく、ニューヨークなど大都市圏では依然として賃料水準が高く、地元ビジネスにとっての参入余地は限られています。