ニューヨークのオフィス市場は、夏の終わりに異例の活況を見せました。
2025年8月、マンハッタンで新規賃貸面積は約370万平方フィートに達し、前年同月比で36%増、前月比でも20%超の増加。空室率も**15%**まで低下し、2021年1月以来の低水準となりました(Colliers調べ)。
📈 大型契約とプレリースの復活
- 最大契約は**デロイトのハドソンヤード70番地(807,000SF)**のプレリース。完成は2028年予定ですが、建設前に借り手がつくのは数年ぶりの動きです。
- WeWorkはAmazon需要に応じ、ブロードウェイ1440番地で259,000SFを拡張。
- 他にもPiper Sandler、Cushman & Wakefield、The Farmer’s Dogといった企業が相次ぎ契約しました。
🏢 地域別動向
- ミッドタウン・サウス
8月だけで210万SFが契約され、空室率は15.1%まで低下。テック企業の集中が顕著です。 - ミッドタウン
130万SFの契約で空室率13.4%と、こちらも健闘。 - ダウンタウン
19.1万SFにとどまり、全体の5%。依然として空室率は18.5%と高水準です。
💵 家賃水準
- 平均募集賃料は1SFあたり74.73ドル。
前年比ではわずか0.17ドル上昇にとどまり、パンデミック前(2020年3月の79.47ドル)より6%低い水準です。 - 賃料はまだ抑えられていますが、需要増が価格回復を後押しする可能性があります。
🚧 新規開発も続々始動
テナント需要の回復を受け、新規オフィス開発も再加速。
- BXPの343 Madison Ave.(46階建, 約20億ドル開発, 2029年完成予定)
- SL Greenによる346 Madison Ave.の80万SFタワー計画
- Extellの570 Fifth Ave.(110万SF)
- RXRとTF Cornerstoneの175 Park Ave. 超高層計画
✍️ まとめ
ニューヨークのオフィス市場は、テナント需要の回復とともに2019年以来の活況を迎えています。
特にテック企業やクリエイティブ系企業の動きが市場を牽引し、デベロッパーも新規開発に前向きです。
「マンハッタンで40M SF超の契約活動」という目標が、いよいよ現実味を帯びてきました。