5兆円超の投資が地域と雇用を一気に押し上げる
アメリカ・テキサス州北部(ダラス・フォートワース周辺)が、いま世界の半導体産業の新たな拠点「シリコン・プレーリー」として注目されています。
これまでに**総額500億ドル(約7.3兆円)**を超える投資計画が進行中で、住宅建設や商業不動産も含め地域全体が急成長しています。
💡 投資の中心は「シャーマン市」
ダラスの北約100kmにあるシャーマン市は、1960年代からTexas Instrumentsの工場を抱える工業都市。
- Texas Instruments:400億ドル(約5.9兆円)を投じ、巨大な半導体工場を建設中
- GlobalWafers(台湾):35億ドル(約5,100億円)の投資後、さらに40億ドル(約5,900億円)を追加決定
- Coherent:数十億ドル規模で工場建設
さらにAppleは米国製造に**1,000億ドル(約14.7兆円)**を投じ、その多くをシャーマンに割り当てています。
🏙️ 他都市も参入
- リチャードソン:TIが75億ドル(約1.1兆円)を投資
- フォートワース:Adom Industries(2.29億ドル=約340億円)、Wistron(7.61億ドル=約1,100億円)が進出
フォートワース市は投資企業に約2,000万ドル(約30億円)のインセンティブを提供し、AIと先端製造の拠点を目指しています。
📊 インセンティブ合戦
シャーマン市は過去最大の優遇策を用意し、TIやGlobalWafersをシンガポールやオハイオとの競争から勝ち取りました。
- 約**30億ドル(約4,400億円)**の税優遇・現金支援を実施
- その結果、2024年には市の売上税収入が**過去最高の700万ドル(約10億円)**に
🔮 今後の展望
- Phase 1完成後も増設計画が続々
- 多数のサプライヤーがシャーマンに移転予定
- 地域の豊富な土地・水資源と、産業基盤がさらなる拡大を後押し
「これはまだ始まりにすぎない。今後さらに大規模な商業化フェーズに入る」と、テキサス・セミコンダクター・テックハブの幹部は語っています。
✍️ まとめ
北テキサスは、土地・労働力・物流インフラ・州税制の優位性により、半導体大手にとって魅力的な投資先となっています。
今後10年で、「シリコン・プレーリー」は世界有数の半導体供給拠点に進化していく可能性が極めて高いでしょう。