ロサンゼルスの商業用不動産市場において、**2025年上半期のオフィス投資額が18億ドル(約2,646億円)**に達し、前年同期比で2倍以上に増加したことがNewmarkのレポートで明らかになりました。
これを受けて、多くのブローカーたちは「LAのオフィスマーケットは底を打った」とコメントしており、今後は回復フェーズへ向かうと予測されています。
💼 オフィス売買、Q2だけで約12億ドル(約1,764億円)
2025年4〜6月期(Q2)には、1億ドル(約147億円)超の大型取引が5件発生。前年同時期のQ2 2024と比べて:
- 売上高:$467.7M → $1.2B(約686億円 → 約1,764億円)
- 取引件数:大幅増加
Colliersのキャピタルマーケット責任者ショーン・ファルプ氏は、「今やマーケットに豊富な比較事例が出そろい、機関投資家でも相場を見極められる状況」と述べています。
📉 不良資産の放出と透明性の向上が後押し
オフィス賃貸市場は依然としてハイブリッド勤務や金利上昇の影響を受けており、空室率が高いビルでは借入金の返済が困難になっている状況です。
Newmarkの調査では、**ロサンゼルスの全オフィス在庫の47%が「経済的に持続不能」**とされています(稼働率70%未満ではプラスのNOIを確保しにくいとされるため)。
こうしたビルが市場に出回ることで、買い手にとっては割安な取得機会となり、さらに市場回復を後押ししています。
🏢 主な買い手は「民間投資家」、REITや機関投資家も再参入
Newmarkによると、2025年に入ってからのオフィス取引の約3分の2は民間投資家によるもので、引き続き主力となっています。
一方で、REIT(不動産投資信託)も2024年を上回るペースで取引を進めており、機関投資家の関心も回復傾向にあります。
実際、Playa VistaのClass-Aビルが1億5,100万ドル(約222億円)でBaringsに売却された例など、好立地・高品質な物件には大型資本が再び戻ってきています。
🔮 今後3〜5年での安定回復を予想
現在も**LAのオフィス空室率は約25%**と高止まりしており、ディストレス資産の整理が続くと見られます。
Colliersのファルプ氏は、「ここから3〜5年かけて徐々に市場が健全化していく」と語っています。
✅ 投資家にとっての注目ポイント
- 稼働率が低く借入返済が困難なオフィス物件は、割安での取得チャンス
- 債務再構築や競争力のある賃料設定による価値向上が可能
- 機関投資家・REITの復帰が価格底打ちのサイン