米国の工業用不動産市場(物流倉庫)が冷え込み、空室率が11年ぶりの高水準に達しました。
📉 空室率が7%台に突入
- 2025年第2四半期 空室率:7.1%
- 前期(第1四半期):6.9%
- 前年同期:+1ポイント上昇
- 2014年以来初めて7%超え
Cushman & Wakefieldは、トランプ政権による関税強化が企業の新規リース決定を鈍らせ、既存倉庫での在庫積み増しを促したと分析。
📦 リース活動と新規供給
指標 | 数値 |
---|---|
ネット吸収量(Q2) | +2,960万SF(前年同期比−32%) |
新規供給 | 7,150万SF |
吸収量(Q4→Q1の比較) | 4,260万SF → 3,030万SF(減少) |
新規建設(前年比) | −22% |
スペック開発比率(パイプライン) | 62.3%(2020年秋以来最低) |
🇺🇸 トランプ政権の関税政策が影響
- 既存関税:ほぼ全輸入品に10%
- 新たな警告:
- 日本・韓国への25%追加関税
- ブラジル製品への50%関税
Cushmanのジェイソン・トリバー氏は
「市場は一進一退だが、企業は関税リスク管理のため輸入を加速させ、6月以降に活動が再加熱」とコメント。
📈 賃料は上昇継続
- 平均賃料:$10.12/SF(前年比+2.6%)
- 最新鋭の高性能倉庫が特に高値で取引
- 大口テナントが機能的な倉庫を積極的に確保
Cushmanのジェイソン・プライス氏は
「吸収量は依然低水準だが、新規リースの回復と最新倉庫需要の強さが市場適応力を示している」
と述べています。
✍️ まとめ
- 米物流倉庫市場の空室率7.1%は2014年以来の高さ
- トランプ政権の関税強化でリース活動が一時停滞
- 一方で6月以降は関税緩和の隙を突いた動きも活発化
- 新規供給は減少傾向だが、高性能施設の需要が引き続き強い