テキサス州が急浮上、カナダ・メキシコからの注目に変化も
米国不動産ポータル「Realtor.com」による2025年第1四半期のレポートでは、海外からの不動産投資需要がコロナ前を上回る水準に回復し、全体トラフィックの1.9%が海外からのアクセスとなりました(2024年Q1は1.7%、2020年Q1は1.3%)。
フロリダとテキサスが人気を二分、カリフォルニアは後退
1位:マイアミ(8.7%)
2位:ニューヨーク(4.9%)
3位:ロサンゼルス(4.6%)
4位:オーランド(2.9%)
5位:ダラス・フォートワース(2.8%)
今回注目すべきは、テキサスの都市が4都市ランクインしており、特にオースティンとサンアントニオはパンデミック以降初のトップ入りを果たしました。
テキサス州都市 | ランク(2025Q1) | 前年比 |
ダラス・フォートワース | 5位 | +3 |
ヒューストン | 6位 | ±0 |
オースティン | 16位 | 新規 |
サンアントニオ | 19位 | 新規 |
税制優遇、企業誘致、生活コストの安さなどに加え、Realtor.com本社のオースティン移転も、テキサス州への海外投資家の注目を高める要因となりました。
【国別】海外からの投資関心の動向
· ■ カナダ:依然首位だが関心は減少傾向
全体の34.7%を占めて最多(前年40.7% → ▲6pt)
最大の減少都市:ナポリ(FL)▲13.5pt、ノースポート(FL)▲12.9pt、フェニックス(AZ)▲11.8pt
背景:米国による関税措置と外交関係の変化
· ■ メキシコ:安定した関心、国境都市が中心
全体の5.4%(前年5.8%)
主な人気都市:
サンアントニオ(18.8%がメキシコから)
リバーサイド(10.5%)
シカゴ(8.2%)
· ■ イギリス:5.7%
安定的に上位の関心国。英語圏・制度の近さが要因
主なターゲットはフロリダ・ニューヨーク周辺
· ■ ドイツ:3.8%
高学歴層や長期移住目的の関心が強い
西海岸よりも東部・南部に関心移行傾向
· ■ オーストラリア:3.2%
多国籍企業・大学都市への興味強く、オースティンなど新興都市にも注目
カリフォルニア都市のランキングからの脱落
かつて人気上位だったサンフランシスコ、サンディエゴ、ラスベガスは2025Q1でトップ20から脱落。
特にサンフランシスコは:
– 住宅価格の高さ
– テック業界の雇用不安
– 都市問題(ホームレス、ゾーニング対立)
などが海外投資家にとってのリスク要因となっています。
今後の展望:安定・成長市場へ関心集中
海外投資家は今後も、以下のような要素を持つ都市に注目すると考えられます:
✅ 低コスト・高成長の新興都市(例:オースティン、ダラス)
✅ 税制優遇や企業誘致が進む州(例:テキサス、フロリダ)
✅ 生活・教育インフラと投資リターンのバランスが良い都市
一方で、住宅価格高騰や政治・社会リスクのある都市は、敬遠される傾向が続きそうです。