カリフォルニア州の主要港であるロサンゼルス港、ロングビーチ港、オークランド港では、トランプ前大統領の関税政策による影響で貨物の減少が深刻化しています。ロングビーチ港のマリオ・コルデロCEOは、「現在の船便キャンセル数は、COVID-19パンデミック時を超えている」と述べました。
貨物減少とキャンセルの増加
ロサンゼルス港では、2025年5月の予定船便80隻のうち17便がキャンセル。6月もすでに10便のキャンセルが発表されています。オークランド港では4月の貨物量が前月比15%減少しました。
雇用への打撃
港湾労働者のチーム数(作業単位)は、昨年よりも減少しており、特にパートタイム労働者はほとんど仕事がない状態です。港湾関連労働者だけでなく、トラック運転手、倉庫スタッフ、小売業など供給チェーン全体に影響が波及しています。
トランプ政権の関税政策
トランプ前大統領は5月、対中輸入関税を一時的に145%から30%に引き下げると発表しましたが、依然として先行き不透明な状況が続いています。この不確実性のため、多くの企業は仕入れや発注を控えており、港の取扱量が伸びない原因となっています。
輸出産業への影響
関税の報復措置により、カリフォルニアの農産物輸出も打撃を受けています。ロサンゼルス港では、最大の輸出品である大豆の輸出が減少し、代わってブラジルが中国向け輸出を急増させています。
地域経済への影響
ロングビーチ港によると、港湾活動は2023年に税収として844億ドルを生み出し、100万人以上の雇用に関係しています。貨物量の10%減少は、雇用の10%減にもつながるとされ、地域経済への影響は深刻です。