~ローン金利と住宅価格の高止まりが「賃貸継続」を後押し~
アメリカで、住宅購入を目指していた多くの人々が、金利上昇や価格高騰によりマイホーム購入を断念し、現在の賃貸物件に住み続ける傾向が強まっています。
その結果、2025年に入りアパート契約の更新率が過去最高水準に到達しました。
🔺 主要オーナー各社で退去率が歴史的な低水準に
- Equity Residential:2025年第1四半期の退去率は7.9%。同社の歴史の中で最も低い数字。
- Camden Property Trust:年間換算の退去率は31%。こちらも過去最低水準。
- Essex Property Trust:退去率35%で、長期平均(38%)を下回る。
これらの数字は、過去には見られなかったレベルで人々が“動かなくなっている”ことを示しています。
💰 住宅取得コストの急上昇が背景
- 住宅ローン金利は7%前後で推移。2020年の2.5%から大幅上昇。
- 中古住宅価格も依然として高止まり。
- 購入コストがあまりに高く、「今は買わず、しばらく賃貸で様子を見る」という判断が主流に。
🧾 引っ越しコスト・生活不安も影響
- 引っ越しに伴う初期費用や保証金も上昇中。
- インフレや雇用不安なども重なり、「今の部屋にとどまる方が安心」という心理が働いている。
📊 投資家・オーナーにとっては追い風
- 高い更新率=空室率の低下=安定した収益構造
- 特にClass B/Cなど中価格帯物件で、安定的な入居者確保がしやすくなっている
- 入居者獲得のための広告・リフォーム・インセンティブ費用を削減できる可能性も
🔮 今後の見通し
- 仮に金利が今後緩和されれば、一部の賃貸世帯が再び住宅購入を検討する可能性も
- ただし、経済全体の不透明感が続く中で、当面は“住み替えを避ける流れ”が主流となりそうです