2025年現在、フロリダ州マイアミの不動産市場で外国人バイヤーが積極的な購入を控える動きが広がっています。
その背景には、移民政策の強化、貿易摩擦の激化、通貨の不安定さといった国際的な不確実性が存在します。
📉 外国人の購入割合が大幅減少
- 2024年:マイアミの不動産取引全体の10%が外国人によるもの(2023年は18%)
- 投資額は51億ドル → 31億ドルへ大幅減少(前年比▲20億ドル)
- フロリダ州は16年連続で外国人に最も人気の州だが、特にマイアミ・フォートローダーデール・ウェストパームビーチに集中
🛫 買い控えの背景
- トランプ政権の移民強化方針(2,000万人の強制送還計画など)
- 空港での査問リスク報道(グリーンカード保持者に対しても影響あり)
- 南米・カナダなどからの旅行・渡航控えの動き
- カナダからの帰国フライト:前年比▲13.5%
- 陸路での帰国:前年比▲32%
⏳ 契約にかかる時間が倍増
- 契約までに通常の2倍の期間を要するケースが増加
- 「建築遅延」「資材高騰」「金利変動」などへの不安や質問が増加
- 一時的滞在ビザ(B-1/B-2)保持者の購入意欲にも影響
🏖️ 購入目的は「セカンドハウス」が中心
- 外国人購入者の71%が別荘・将来の移住目的
- 賃貸収益狙いではなく、長期ライフスタイル視点での判断が多いため、不確実性により慎重姿勢に
- 特に高額物件ではこの傾向が強く、**「買いたいが今は決断できない」**状態が続いている
🏗️ 市場・開発への影響
- コロナ後に急拡大した短期レンタル物件(Airbnbなど)向けコンド建設が一服
- 2024年5月時点で新築コンドの50%以上が短期レンタル用(The Real Deal調べ)
- ただし、国際観光依存型の貸出に対するローン審査は厳格化へ
- ローン・バリュー比率の引き下げ
- 自己資金の増加要請などで、借入リスク管理を強化
- 短期的には慎重姿勢が続く可能性(特に政治・ビザ・通貨影響の大きい層)
- とはいえ、マイアミ市場への関心は継続しており、価格崩壊や急落といった動きは確認されていない
- 今後は国内バイヤー比率の上昇と、外国人にとっては「割安タイミング」到来への備えが重要に