近年、家賃高騰と都市部の住空間不足を背景に、アメリカでは「マイクロ住宅(micro housing)」の人気が高まっています。
このトレンドは、若年層・単身者・学生・高齢者・エントリーレベルの労働者など幅広い層から支持されており、都市型の合理的な住まいとして急拡大しています。
📏 マイクロ住宅とは?
RedfinのレポートやStorageCafeの分析によると、マイクロ住宅とは床面積が441平方フィート(約41㎡)未満の賃貸住宅を指します。
以下はその代表的なサイズ感です:
・ホノルル:32㎡(348 SF)
・リノ(ネバダ州):41㎡(446 SF)
・バークレー(CA):16㎡(175 SF)※浴室・簡易キッチン・ベッド・机付
参考:Holiday Innの平均ホテル客室サイズは約28〜33㎡(300~350 SF)
🌆 なぜ今マイクロ住宅なのか?
– 家賃・住宅価格の高騰(例:シカゴでは通常$2,420 → マイクロ住宅は$1,263)
– コンパクト・サステナブルな生活志向
– 公共交通・文化・娯楽施設へのアクセス重視
– 単身生活やミニマリズム志向の拡大
「狭く暮らして、都市の真ん中で自由を楽しむ」という考え方が若い世代を中心に支持されています。
🏙️ マイクロ住宅が多い都市と成長見込み
【マイクロ住宅のシェアが高い都市】
・サンフランシスコ:15%(最大124 SFの物件も)
・シアトル:12%(建設中物件の2/3がマイクロ住宅)
・ミネアポリス:10.4%(100 SF未満も存在)
・ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、ニューアーク:今後も増加傾向
【今後の成長予測トップ10】
1. シアトル(+66%)
2. ボストン(+56.2%)
3. ニューアーク(+49.8%)
4. ニューヨーク(+43.3%)
5. リノ(+40.5%)
6. サンフランシスコ(+28.8%)
7. ノーフォーク(+22.8%)
8. サンディエゴ(+21.2%)
9. ミネアポリス(+20.3%)
10. ポートランド(+19.3%)
📦 関連業界も注目:「セルフストレージ」への波及
マイクロ住宅の居住者は収納スペースが不足する傾向があるため、セルフストレージ(貸倉庫)業界が恩恵を受けると予測されています。
– 都市部でのワーケーション・単身赴任・留学に適した賃貸形態として活用可能
– 高利回りを狙えるアメリカ不動産投資の新セグメント
– 「狭さ」を逆手に取った共用型・スマート住宅開発への応用も期待