ロサンゼルス・オレンジ郡では、地域の平均的な賃金を得ていても、家賃の支払いが大きな負担になっています。特に低賃金の職種では、平均的なアパートを一人で借りることが極めて難しい状況です。
Orange County Registerが、2025年5月の職種別賃金と家賃を比較しました。同地域の平均的なアパート家賃は月額2,671ドル、年間では3万2,052ドルです。
最も賃金が低かった医療補助職の平均時給は19.41ドル。年間2,000時間勤務すると、税引前の年収は約3万9,000ドルです。平均的な住戸を一人で借りた場合、年間家賃は年収の約83%に相当します。
ほかの職種も厳しい状況です。
- 飲食・調理:時給20.69ドル、家賃は年収の77%
- 建物管理・メンテナンス:22.02ドル、73%
- パーソナルサービス:22.40ドル、72%
- 農業関連:23.29ドル、69%
- 製造関連:25.36ドル、63%
これは税引前の平均年収と平均家賃を比べた単純計算です。実際には税金、食費、交通費、医療費なども必要なため、一人で平均的な住戸を借りることは現実的ではありません。ルームシェアや家族との同居、郊外への転居が必要になるケースも多いと考えられます。
地域全体の平均時給は37.15ドル、年収換算で約7万4,300ドルですが、それでも家賃は年収の43%です。一般的な住宅費の目安である「年収の30%以内」を満たしたのは、調査対象22職種のうち6職種だけで、該当する労働者は全体の21%にとどまりました。
一方、法律職の平均年収は約17万2,000ドルで、家賃負担率は19%。管理職は約15万4,000ドルで21%、コンピューター関連職は約12万4,000ドルで26%です。職種による住宅負担の格差が非常に大きいことが分かります。
この数字は、賃貸住宅への需要が強いことを示す一方、「家賃をさらに上げられる」という意味ではありません。入居者の支払い能力が限界に近づけば、滞納、退去、ルームシェアへの移行、内陸部への転居が増える可能性があります。
投資家がLA・オレンジ郡の賃貸住宅を検討する際は、現在の家賃だけでなく、周辺住民の所得、主要な職種、家賃滞納率、入居促進費、交通利便性を確認することが重要です。特に、比較的手頃な小型住戸やワークフォース住宅には需要が見込まれますが、入居者の所得に合った家賃設定が欠かせません。
家賃が高い市場ほど、物件価格だけでなく「そこで働く人が本当に住み続けられるか」を見る必要があります。