全米不動産協会(NAR)が、外国人によるアメリカ住宅購入の最新調査を発表しました。
2025年4月から2026年3月までに外国人が購入した中古住宅は6万7,100戸、購入総額は453億ドルでした。1ドル158円で換算すると、約7兆1,600億円です。
しかし、前年と比べて購入戸数は14%減少し、購入総額も19.1%減少しました。購入戸数は、NARが2009年に調査を開始して以来、2番目に少ない水準です。
外国人購入が減った主な理由は、住宅価格の上昇、物件不足、高い住宅ローン金利、国際情勢や移民制度に対する不透明感です。
購入を見送った外国人のうち、33%が「希望に合う物件が見つからない」、28%が「価格が高い」、19%が「移民制度」を理由に挙げています。
■国別の購入状況
1.カナダ
・外国人購入全体の16%
・購入戸数:1万700戸
・購入総額:52億ドル(約8,216億円)
・1戸当たり平均:約48万6,000ドル(約7,680万円)
・主な購入先:フロリダ、カリフォルニア、アリゾナ
購入戸数ではカナダが第1位です。温暖なフロリダ州やアリゾナ州で、冬季用住宅や別荘を購入する人が多いと考えられます。
2.メキシコ
・外国人購入全体の14%
・購入戸数:9,400戸
・購入総額:50億ドル(約7,900億円)
・1戸当たり平均:約53万2,000ドル(約8,400万円)
・主な購入先:カリフォルニア、テキサス、フロリダ
国境に近いカリフォルニア州とテキサス州を中心に、居住用と投資用の需要があります。
3.中国(中国本土・香港・台湾)
・外国人購入全体の11%
・購入戸数:7,400戸
・購入総額:76億ドル(約1兆2,000億円)
・1戸当たり平均:約103万ドル(約1億6,200万円)
・主な購入先:カリフォルニア、テキサス、アリゾナ
購入戸数は第3位ですが、購入総額では第1位です。特にカリフォルニア州の高額住宅を購入する傾向が強く、他国と比べて1戸当たりの購入価格が突出しています。
4.インド
・外国人購入全体の9%
・購入戸数:6,000戸
・購入総額:37億ドル(約5,846億円)
・1戸当たり平均:約61万7,000ドル(約9,740万円)
・主な購入先:ワシントン州、テキサス、ニュージャージー
IT・テクノロジー関連の雇用が多い地域を中心に、居住用住宅を購入する傾向が見られます。
5.イギリス
・外国人購入全体の4%
・購入戸数:2,700戸
・購入総額:12億ドル(約1,896億円)
・1戸当たり平均:約44万4,000ドル(約7,020万円)
・主な購入先:カリフォルニア、アリゾナ、ミシガン
別荘や賃貸運用を目的とした購入が中心とみられます。
なお、日本は今回公表された上位5か国には入っておらず、NARの発表資料では日本だけの購入戸数・金額は示されていません。
■外国人が購入する州
1.フロリダ州:20%
2.カリフォルニア州:19%
3.テキサス州:12%
4.ニュージャージー州:4%
5.ジョージア州:4%
外国人が購入した住宅の中央値は46万5,000ドル、約7,350万円でした。アメリカ人を含む中古住宅全体の中央値41万3,600ドルを上回っており、外国人は比較的高額な住宅を購入しています。
さらに、外国人購入者の48%が住宅ローンを利用せず、全額現金で購入しています。アメリカ全体の現金購入比率28%と比べると、非常に高い水準です。
また、外国人購入者の約半数が、別荘、賃貸投資、またはその両方を目的として購入しています。
外国人による購入件数は減っていますが、アメリカ不動産への関心がなくなったわけではありません。購入者は以前より慎重になり、条件の良い住宅へ多額の自己資金を投入しています。