今回は、テキサス州ヒューストンを代表する超高層オフィスビル「Williams Tower」の売却ニュースをご紹介します。
Williams Towerは、Uptown/Galleria地区に位置する64階建て、延床面積約140万SF(約13万㎡)のランドマークビルです。
主要テナントである大手エネルギー会社Williams Companiesが、オフィスタワーと隣接する駐車場棟を取得しました。
正式な売買価格は非公表ですが、Green Street Newsによると3億ドル(約486億円、1ドル=162円換算)を超えると報じられています。ヒューストンでは2019年以降、最大級となる単体オフィスビルの取引です。
■主要テナントが自社ビルとして取得
Williams Companiesは、米国で消費される天然ガスの約3分の1を輸送する大手エネルギー会社です。
同社は1995年からWilliams Towerに入居し、現在は約700人が勤務しています。2026年末までに、ヒューストンでさらに約100人を採用する予定です。
今回の取得により、同社は将来の事業拡大に合わせて、オフィスの利用や運営を自社でコントロールできるようになります。
■2013年の取得価格を下回る売却
売主であるInvesco Real Estateの関連会社は、2013年にWilliams Towerを4億1,200万ドル(約667億円)で取得しました。
今回の価格を3億ドル強とすると、約13年前の取得価格を25%前後下回る水準です。
ヒューストンのオフィス市場は、2015年の原油価格下落、新型コロナによる在宅勤務の普及、金利上昇などの影響を受けてきました。
Avison Youngによると、2026年のヒューストンにおけるオフィスビルの平均取引価格は、2015年のピークから約57%下落しています。
■価格調整は新たな取得機会となるか
Williams Towerの稼働率は約83%で、LyondellBasell、Camden Property Trust、CBRE、Morgan Stanleyなどの大手企業も入居しています。
今回の取引は、オフィス市場の価格調整が続く中でも、優れた立地、知名度、信用力の高いテナントを備えた物件には、大型取引が成立することを示しています。
テキサス州は人口や雇用が増加する成長市場ですが、すべての不動産価格が上昇しているわけではありません。
価格が調整した現在のオフィス市場では、物件を慎重に選ぶことが前提となりますが、長期保有を考える企業や投資家にとって、新たな取得機会が生まれているのかもしれません。