今回は、米国のアパート市場にとって重要なニュースをご紹介します。
米国では、ここ数年続いていたアパートの歴史的な大量供給が、いよいよ終わりに近づいています。
不動産データ会社RealPage Market Analyticsによると、2026年第2四半期(4~6月)に完成したアパートは約7万7,700戸でした。
第1四半期の約7万4,200戸からは少し増えましたが、供給がピークを迎えた2024年第3四半期の約16万戸と比べると、半分以下の水準です。
つまり、2026年第2四半期は少し回復したように見えても、大きな流れとしては「新規供給の減少」が続いているということです。
■なぜアパートの供給が減っているのでしょうか?
米国では、2023年から2024年にかけて、低金利時代に計画されたアパートが次々に完成しました。
2023年第2四半期には、RealPageが1990年代に統計を開始して以来、初めて四半期の完成戸数が10万戸を突破。その後、6四半期にわたって大量供給が続き、2024年第3四半期には約16万戸というピークを記録しました。
しかし、その後は状況が大きく変わりました。
・建築費の上昇
・人件費の上昇
・金利上昇による建設融資の負担増加
・金融機関の融資姿勢の厳格化
こうした影響により、新しいアパートの着工が減少しています。
着工から完成までには時間がかかるため、過去の着工減少が、現在の完成戸数の減少となって表れているのです。
■供給減少は賃料上昇につながるのか?
短期的には、これまでの大量供給の影響が残っており、一部の都市では空室率が高く、賃料の伸びが抑えられています。
しかし、新規供給が減少する一方で人口や雇用が増え続ければ、需給バランスは徐々に改善していきます。
特に注目したいのは、これまで大量のアパートが建設されてきた次のような成長市場です。
・テキサス州
・フロリダ州
・ジョージア州
・ノースカロライナ州
これらの地域で人口流入や雇用増加が続けば、空室率が改善し、将来的な賃料上昇につながる可能性があります。
■不動産投資では「将来の供給」を見ることが重要
アパート投資を検討する際には、現在の賃料や利回りだけを見て判断するのは十分ではありません。
その地域で今後どれだけ新しいアパートが完成するのか、人口や雇用がどれくらい増えるのかまで確認することが重要です。
今回のニュースは、米国アパート市場が「大量供給による調整局面」から「供給減少による回復局面」へ移行し始めている可能性を示しています。
もちろん、米国は都市によって市場環境が大きく異なります。
今後も人口増加率、雇用動向、空室率、新規着工戸数、供給パイプラインなどを確認しながら、有望な投資エリアを見極めていく必要があります。
米国アパート市場は、大きな転換点を迎えているのかもしれません。