米国では住宅ローン金利が再び上昇し、30年固定金利の平均が**6.69%**となりました。これは2025年8月以来の高い水準です。
ところが、金利が上がったにもかかわらず、住宅購入のためのローン申請は前週比で6%増加しました。
なぜ、住宅ローン金利が上昇するなかで、購入希望者が戻り始めているのでしょうか?
住宅ローン金利は6.69%へ
米抵当銀行協会(MBA)によると、融資額83万2,750ドル以下のコンフォーミングローンについて、30年固定住宅ローンの平均契約金利は、前週の6.65%から6.69%へ上昇しました。
頭金20%の場合のポイントは、0.67から0.62へ低下しています。
金利だけを見ると、住宅購入者にとって厳しい状況が続いています。
米国では6%台後半の住宅ローンが長期化しており、低金利時代に購入した住宅所有者との支払額の差が大きくなっています。
それでも購入申請は6%増加
今回のニュースで注目したいのは、住宅購入を目的としたローン申請が、前週比で6%増加したことです。
前年同期比では0.2%増加にとどまり、ほぼ横ばいですが、高金利環境のなかで前週から購入意欲が回復した点は興味深い動きです。
住宅購入者が戻り始めた背景には、次のような理由が考えられます。
・売り出し物件が増えている
・購入者同士の競争が弱まっている
・値下げに応じる売主が増えている
・夏場に入り、市場がやや落ち着いている
・購入条件を交渉しやすくなっている
金利は高いものの、以前よりも購入者側が物件を選びやすくなっているのです。
売主による値下げも増加
米国では住宅在庫が増加し、売主が販売価格を引き下げるケースも増えているようです。
住宅市場が過熱していた時期には、売り出し価格を上回るオファーが入り、複数の購入希望者が競争する状況が多く見られました。
しかし、現在は購入者が減少しているため、売主側も柔軟になっています。
購入者にとっては、「金利は高いが、価格交渉はしやすい」という市場になりつつあります。
売主による修繕費の負担、購入時費用の一部負担、住宅ローン金利を一時的に下げるための費用負担なども交渉できる可能性があります。
借り換え需要は減少
一方、住宅ローンの借り換え申請は前週比で2%減少しました。
現在の金利水準では、過去に低い金利で住宅ローンを組んだ人にとって、借り換えを行うメリットがほとんどありません。
米国には、2%台や3%台の30年固定ローンを現在も利用している住宅所有者が多くいます。
このような住宅所有者は、住宅を売却すると次の購入時に6%台のローンを利用することになるため、売却をためらいます。
これが米国住宅市場で長く続いている「ロックイン効果」です。
インフレ低下でも金利は下がらない?
6月のインフレ率は低下しましたが、今後も住宅ローン金利が下がるとは限りません。
原油価格やガソリン価格が再び上昇しているためです。
燃料価格が上がると、輸送費や商品価格にも影響し、インフレが再び強まる可能性があります。
さらに国際情勢の悪化も金利上昇の要因となっており、住宅ローン金利は当面、高い水準が続く可能性があります。
金利だけで判断しないことが重要
住宅購入者にとって、6.69%という金利は決して低くありません。
しかし、不動産購入は金利だけで決まるものでもありません。
高金利の市場では購入希望者が減少するため、良い物件を比較しながら選びやすくなります。また、売買価格や修繕、購入費用について交渉できる余地も広がります。
仮に将来金利が下がれば、住宅ローンを借り換えることも可能です。一方で、金利が下がって購入者が一斉に戻れば、住宅価格や購入競争が再び上昇する可能性があります。
今の米国住宅市場は「買い手に少し有利」
現在の米国住宅市場を簡単にまとめると、「住宅ローン金利は高いが、在庫の増加と値下げによって、買い手側の選択肢が増えている市場」といえます。
金利が上昇しているにもかかわらず住宅購入の申請が6%増えたことは、一部の購入者が現在の市場環境にメリットを感じ始めていることを示しています。
米国不動産を検討する場合は、表示価格だけではなく、売主の事情、販売期間、値下げ履歴、修繕費負担、住宅ローン条件まで含めて交渉することが重要です。
金利の動きだけでなく、住宅在庫や売主の価格調整についても、今後引き続き注目していきたいと思います。