ニューヨーク州で高額なセカンドハウスに課税する**「ピエ・ア・テール税(Pied-à-terre Tax)」**が導入されました。
市場では「富裕層がフロリダへ流出する」「高級マンション市場は冷え込む」といった懸念が広がっていましたが、実際にはマンハッタンの超高級住宅市場は引き続き好調を維持しています。
高級マンションの販売は前年を上回る
不動産調査会社Olshan Realtyによると、2026年6月に4百万ドル(約5.8億円)以上のマンションで成約した件数は126件となり、前年同期の124件を上回りました。
また、第2四半期のマンハッタンマンション平均価格は**約220万ドル(約3.2億円)**となり、過去2番目に高い水準を記録しています。
さらに、
- 1,000万~2,000万ドルのコンドミニアム販売:前年比55%増
- 2,000万ドル超のコンドミニアム販売:前年比33%増
- 平均販売価格:前年比14%上昇
と、超高級市場は非常に力強い動きを見せています。
「セカンドハウス税」の影響は限定的
今回導入された新税制は、100万ドル以上の非居住用住宅(セカンドハウス)を対象に追加課税する制度です。
導入当初は、
- 富裕層のニューヨーク離れ
- 新築開発の停滞
- 不動産価格の下落
などが懸念されていました。
しかし実際には、税負担以上に「今買わなければ物件がなくなる」という心理が強く働いているようです。
在庫不足が価格を支える
現在、マンハッタンの高級マンション在庫は前年より約40%減少しており、2004年の統計開始以来、最も少ない水準となっています。
供給不足のため、多くの売主は値下げをする必要がなく、価格を維持したまま成約しています。
ある1,900万ドルの高級マンションでは、昨年は20~25%の値引き交渉が相次いだものの成立しませんでしたが、今年6月には価格を維持したまま契約に至りました。
富裕層には税金より資産形成が重要
不動産ブローカーによると、高額物件を購入する富裕層は、追加課税よりも市場のタイミングを重視しています。
最近では、
- IPO(新規株式公開)による巨額の資金流入
- 株式市場の上昇
- 金融資産の増加
により、高額物件を現金購入するケースも非常に多いといいます。
また、40歳未満の購入者では、親やファミリーオフィス、信託を通じた資金提供による購入も増加しています。