アメリカの住宅市場に、はっきりとした変化が出てきています。
2026年2月、アメリカでは住宅を売りに出している人の3分の1以上が価格を引き下げたそうです。これは2月としてはこの10年以上で最も高い水準とのことです。
不動産会社レッドフィンのデータによると、34.2%の売り手が売り出し価格を値下げしました。前年の31.5%から上昇していて、売り手にとっては少し厳しい市場になってきているようです。
値下げを行った物件だけを見ると、平均で4万915ドル(約7.3%)の値下げでした。
一方、値下げしなかった物件も含めた市場全体の平均では、当初価格から1万3463ドル(約2.4%)下がっており、売り手全体として価格調整圧力が強まっていることがうかがえます。
背景には、住宅ローン金利の高止まり、住宅価格の高さ、景気の先行き不透明感などがあり、買い手が慎重になっていることがあるようです。その結果、売り手側は以前よりも強気で価格設定しにくくなり、「売り手優位」から「買い手優位」へ少しずつ流れが変わってきていることがうかがえます。
また、すぐに値下げするのではなく、いったん物件を市場から取り下げて、あらためて再度掲載する動きも増えているとのことです。2026年1月には、約4万5000戸の住宅が再度掲載され、これは2016年以降で1月として最多だったそうです。
つまり、表面上の値下げ件数以上に、実際には売り手が価格調整を迫られている可能性もありそうです。
地域差もかなりはっきりしています。特に値下げが多かったのはサンアントニオ、オースティン、ダラス、タンパ、フォートローダーデールなどで、新築供給が増えて在庫が積み上がっているエリアほど、買い手に有利な状況になっているようです。
一方で、サンフランシスコやサンノゼ、シアトルなどの西海岸テック都市では、値下げは比較的少なめです。供給が限られている地域では、まだ価格の底堅さが見られます。
今回のニュースを見ると、アメリカの住宅市場は全国一律ではなく、在庫が多い地域では価格が弱含み、供給が限られる都市部では比較的しっかりしているという二極化が進んでいることがわかります。今後、春の需要期にどこまで持ち直すのか、それともこのまま買い手優位が続くのか、注目していきたいものです。