マムダニ新市長の富裕層課税案にも、ラグジュアリー市場はむしろ活況「富裕層がニューヨーク市を離れる」という不安が語られてきました。しかし、実際の市場データは真逆です。
ラグジュアリー住宅を扱う仲介会社の幹部は、富裕層はむしろニューヨーク市に根を下ろし積極的に購入していると語っています。
民主社会主義者のゾーラン・マムダニ新市長の誕生、そして高所得者への課税強化の可能性が懸念されましたが、住宅市場の動きはその不安を全く裏付けていません。
💼「流出」は起きていない
統計はラグジュアリー住宅の力強い成長を示す
ある企業の幹部はこう述べています:
「ニューヨーク市から富裕層が出ているという話は完全に間違い。
実際には逆で、特に富裕層が根付いている」
2025年第3四半期(3Q)には400万ドル以上の高級住宅成約件数は318件 前期比+2.6%、前年同期比では+13.6%という強い伸びです。
さらに11月の契約件数も:
- 2025年:151件
- 2024年:124件
Thanksgiving の短い1週間でも19件の契約成立(10年平均の17件を上回る)
データは明確にニューヨーク市の高額不動産需要が強いという結果を示しています。
外国人投資家より、“国内富裕層”が主役へ
かつてニューヨーク市のラグジュアリー市場を支えていたのは海外資金。
しかし近年は、
📌 IT業界
📌 金融
📌 スタートアップ創業者
📌 セレブ投資家
といった、米国内の高所得者層が積極的に購入を進めている状況です。
実際、Sotheby’s調査によると:
- 2023年4月〜2024年3月
海外投資家による住宅購入は2009年以来の最低水準
(※2017年は住宅28.5万件、総額1530億ドル)
海外資金が弱まる代わりに、国内のミリオネア層・富裕層が購入を主導しています。
その検索している元となっている主な都市はこちら:
- マイアミ
- ワシントンD.C.
- フィラデルフィア
- ダラス
- サンフランシスコ
- タンパ
Zillowの調査では、これらの都市の住民がニューヨーク市の不動産検索を強めていることが確認されています。
👨👩👦 親が子へ“高級物件購入”も
信託名義・法人名義の取得が増加 「富裕層らしい購入方法」が顕著に増加しています。
- LLCでの購入
- トラスト(信託名義)
- 親が子供のために購入
市場関係者によれば、🎁 22歳の子供に 2000万ドル(約30億円超)のマンションを親が購入するという事例も確認されているほどです。
また、LLC名義や信託名義の契約件数の増加は、家族資産による購入(ファミリー・マネー)が拡大しているシグナルだとも語られています。
🏢 オフィス出社回帰が住宅需要を押し上げる
アメリカでは2025年、企業が社員の「オフィス出社」を再度強化しています。
- Amazon
- 大手IT企業
- ウォール街の金融機関
これら企業が週5日出社ルールを再導入。
ニューヨーク市は全米で最も強くオフィス回復が進んでおり、2019年の賃貸活動水準を初めて超える見通しです。
コロナ期に郊外へ移った人々が、「5日通勤」を迫られることで再び都市部に戻り、
永住地としてニューヨーク市を選び直す動きが出てくるという見方も提示されています。
「NY市内に住めば通勤負担も減る。
これから家を買う人は ‘郊外かNY市内か’ を真剣に考えるだろう」
静かに、しかし確実に、ニューヨーク市へ回帰する住宅需要が続いています。
📝まとめ
✔ 新市長マムダニの課税懸念にも、ニューヨーク市の富裕層需要はむしろ拡大
✔ 富裕層向け住宅成約数は前年比+13.6%
✔ 海外投資家の減少を、米国内の高所得者層が完全に補填
✔ 子供のために数千万ドル物件を買う親も増加
✔ オフィス回帰を背景に、“都市回帰”が住宅トレンドを押し上げる可能性
つまり「富裕層がニューヨーク市から逃げる」という見方は完全に誤り。
データは明確にニューヨーク市は依然として富と高所得層を引き寄せる都市
であることを示しています。