米国大手仲介の「サービスライン強化」が加速
全米でテナント(入居企業)側に立った仲介サービスで知られるCresa が、カリフォルニア州ダイアモンドバー拠点のCMPG(California Management Professionals Group) を買収しました。
今回の買収は、Cresaが進める“サービス領域の拡大戦略” の一環で、この数週間で3件目となる大型M&Aです。
🤝 CMPGの幹部2名がCresaへ
南カリフォルニアのプロジェクトマネジメント部門を統括CMPGの経営陣である
Christie Fischetti 氏(Partner)
Dyana Elam 氏(Managing Director)
この2名がCresaの Managing Principal(統括責任者) として参画し、南カリフォルニアのプロジェクト管理チームを率いる 体制へ移行。
また、CMPGに在籍する 全22名の社員がCresaに合流。
CMPGの既存オフィスもそのまま活用することでCresaの戦略的拠点として位置付けられる と発表されています。
“今回の買収は、顧客に対する包括支援体制をさらに強固にする大きな一歩だ。”
— Dennis Smith, Cresa エグゼクティブマネージングプリンシパル兼LA共同責任者
買収金額は非公開ですが、Cresaにとって「ピンポイントかつ高付加価値領域」を補完するM&Aと見られています。
🏗️ CMPGの実績:L.A.主要プロジェクトを多数担当
CMPGはロサンゼルスを中心に、公共施設やインフラ、病院・文化施設など大型改修や開発プロジェクトを手掛けてきた企業です。
代表的な実績:
LA County Arboretum Visitor Center
Doheny Eye Institute 本部施設プロジェクト
Los Angeles Regional Food Bank 改修工事
LA Union Station 大規模改善(総額1.65億ドル)
自治体、交通機関、研究機関など信頼性の求められる開発案件に深く関わってきた点はCresaの戦略に合致していることが伺えます。
🚀 Cresa、わずか45日間で3社を買収
今回のCMPG買収は、Cresaが積極的なM&A戦略を展開していることを示しています。
直近の買収履歴:
📌 10月:Fischer(ダラス)
→ テナント側専属仲介で最大の競合企業(110名規模)
📌 11月:Bluechip Insights
→ データ分析に強みを持つ企業
📌 12月:CMPG(カリフォルニア)
→ プロジェクト管理領域を強化
企業規模だけでなく、機能や専門領域を補完する「高付加価値コア」に狙いを定めている点が特徴です。
🔥 業界全体で買収競争が加速
今回の動きはCresaだけではありません。
今年後半は、大手仲介企業が“サービスライン強化”を目的に一斉にM&Aを進める傾向が鮮明。
代表例👇
🏢 CBRE:Pearce Servicesを12億ドルで買収
データセンターやインフラ保守企業→ 業務領域をさらに後方支援へ拡大
🏢 Newmark:RealFoundationsを買収
500名超のプロフェッショナルサービス企業→ コンサル、テクノロジー、運営支援を強化 DX、運営改善、テナント戦略、資産運用支援まで
不動産仲介会社は“仲介だけではない存在”へと急速に進化しています。
🎯 まとめ:仲介会社は「総合ソリューション企業」へ進化中
2025年のアメリカ商業不動産市場では、✔ 仲介企業がプロジェクト管理や金融分析などハイレベル専門領域を買収して補完
✔ 顧客の課題を「端から端まで解決する企業力」が競争軸
✔ M&Aによる事業領域拡大が今後も継続
という大きなトレンドが明確になっています。
特にCresaは“テナント側の代弁社”として有名で、企業の移転・設計・開発・プロジェクト管理まで包括的サポートを狙う姿勢が鮮明です。