全米大手スーパーのKroger(クローガー)が、2026年に新規店舗オープン数を前年比30%増とする方針を発表しました。
一方で、2024年末から2025年にかけて全体で60店舗の不採算店を閉鎖するとしており、「閉店と新規出店の両輪」で戦略を進めています。
📊 売上・利益の動向
- 2025年第2四半期の売上高:339億ドル(約4兆9,833億円/1ドル=147円)
- 純利益:6億900万ドル(約8,945億円) → 前年比+30.7%
この業績を受け、通期の営業利益見通しを**48億~49億ドル(約7,056億~7,203億円)**へ上方修正しました。
🚀 出店戦略とEコマース強化
2025年に約30店舗の新規スーパーを出店予定ですが、2026年にはその数をさらに3割増やす見込みです。背景には、Eコマース売上が16%増加したことがあります。
CEOのロナルド・サージェント氏は、
「店舗を活用したオンライン注文対応により、在庫が顧客に近く、ラストマイル配送コストも削減できる」
と述べ、利便性需要の拡大を武器に収益を伸ばす方針を示しました。
⚠️ 残るリスク要因
- 薬局事業の利益圧迫
- 関税の影響
- 燃料販売の低迷
- 消費者マインドの不安定さ
これらが今後の業績を揺るがす可能性も指摘されています。
❌ アルバートソンズとの合併は失敗
なお、2022年から進めてきたアルバートソンズ(Albertsons)との250億ドル規模の合併計画は、2024年12月に連邦取引委員会(FTC)の反対で破談となりました。
しかし、クローガーは「自力成長戦略」に切り替え、店舗展開とEコマース強化を進めています。
#まとめ
Krogerは不採算店を整理しつつも、Eコマース需要を背景に新規出店を加速。
米国スーパー業界は競争が激化するなか、**「縮小と拡大の同時進行」**というユニークな戦略で存在感を示しています。