2025年後半、全米マルチファミリー&SFR賃料トレンドに地殻変動
リサーチ会社 Markerr の2025年7月データによると、賃料の下落はサンベルト(Sun Belt)とロッキー山脈地域に集中し、過去10年を支配した「南高北低」の構図に変化が見え始めています。
📊 マルチファミリー(集合住宅)の前年比(YoY)
- 上昇都市
スプリングフィールドMO(+4.6%)、ランカスターPA(+4.5%)、ロチェスターNY(+4.3%)、ポートランドME(+4.2%)、シラキュースNY(+4.1%)
👉 トップ10のうち6都市が北東・中西部に集中 - 下落都市
オースティンTX(▲5.0%)、ケープコーラルFL(▲4.4%)、デンバーCO(▲4.2%)、サラソタFL(▲3.3%)、フェニックスAZ(▲3.2%)
📈 5年間の年平均成長率(CAGR)の見通し
- 高成長が期待される市場
シラキュースNY(5.5%)、オーガスタGA(5.3%)、ヤングスタウンOH(4.9%)、オールバニNY(4.9%)、スクラントンPA(4.9%) - 伸びが鈍化する市場
デンバー(2.7%)、サンディエゴ(2.6%)、ニューオーリンズ(2.6%)、フロリダ各都市(レイクランド・サラソタ・ケープコーラル 2.4〜2.6%)、ソルトレイクシティ(2.3%)、シアトル(2.3%)、オースティン(1.9%)
🏡 シングルファミリー賃貸(SFR)は偏りがさらに顕著
SFR市場では、北東・中西部がプラス、フロリダとテキサスがマイナスという構図がより明確になっています。
- 上昇都市
シカゴIL(+2.2%)、マディソンWI(+2.2%)、プロビデンスRI(+2.1%)、ヤングスタウンPA(+2.1%)、オールバニNY(+2.1%) - 下落都市
ケープコーラルFL(▲4.5%)、サラソタFL(▲2.5%)、オースティンTX(▲2.3%)、サンアントニオTX(▲2.2%)、レイクランドFL(▲2.0%)
👉 集合住宅よりも 「地域格差の鮮明化」 が進んでいるのがSFR市場の特徴です。
✅ 今後について
- サンベルトの供給過多により、集合住宅もSFRも賃料下落圧力が強い
- 一方で北東・中西部は、集合住宅・SFRともに安定成長が期待できる市場として注目
- 長期投資では 「5年年平均成長率CAGRが高い都市」+「SFR成長が続く地域」 を狙う戦略が有効