ダラス・フォートワース(DFW)地域の小売市場で、フィットネスジムが存在感を急速に高めています。2025年には年間リース面積が92万平方フィート(約8.55万㎡)に達する見込みで、これは2023年・2024年の合計を上回る規模です。
📉 空室率は歴史的低水準の4.8%に
DFWの主要サブマーケットでは、ジムの拡大が小売空室率を4.8%という過去最低水準近くまで押し下げています。大規模店舗跡の再利用や新規開発・苦戦中の商業施設のアンカーとして、フィットネス施設は地域小売の“静かな成長エンジン”となっています。
🏋️♂️ 主な成長プレイヤー
- Crunch Fitness:既存店より「近日オープン」の店舗数が多く、2025年だけで25.8万SFをリース
- EōS Fitness:2025年に8.5万SFを新規契約(プレイノや南西ダラスなど)、年内にさらに4店舗を計画
- その他、ピックルボール需要を背景に多様な業態が拡大中
📈 市場背景と人口動態
- 2023年の全米ジム会員数は7,300万人(米国人の約4人に1人)
- DFWでは約200万人がジム会員で、今後も人口増加が続き2030年にはシカゴを抜き全米3位の都市圏に
- LA Fitnessや24 Hour Fitnessの閉店もあるが、空いたスペースはすぐ別のジムが入居
🛒 小売との相乗効果
ジム利用者がトレーニング後にコーヒーや買い物、食事をする傾向が強く、周辺テナントの売上にも好影響。
Bed Bath & BeyondやBig Lots、Office Depotなどの跡地再活用にも成功しています。
⚠️ 課題と交渉ポイント
- 古いアンカーテナント契約では、駐車場混雑懸念からジム入居を禁止する条項が残っているケースあり
- フィットネスは高額な内装工事(TI)費用を必要とするため、家主にとっては初期投資負担が大きい
- それでも高めの賃料設定が可能で、長期契約(15〜20年)を見込める
💡 今後の展望
- EōS Fitnessは2025年にさらに4店舗、2026年には6店舗の新規出店予定
- 新業態「Club Burn」のようなブティック型ジムも台頭中
- 健康志向の高まりと人口増が追い風となり、ジム需要は今後も拡大見込み