2025年上半期、全米の商業用不動産投資取引が前年比で25%以上の急増を記録しました。特にテキサス州ダラス・フォートワース(DFW)エリアの躍進が市場全体をけん引しています。
Avison Youngが発表した最新のリポートによると、2025年上半期の投資総額は**1,824億ドル(約26.8兆円 ※1ドル147円換算)**に達し、取引件数も前年比15%増の12,500件近くに上りました。
ただし、年間換算では前年から1%の減少ペースで、件数ベースでは約7%の減少傾向。しかしAvison Youngの投資営業責任者ジェームズ・ネルソン氏は「例年、後半の方が強くなる」として、今後の市場回復に自信を見せています。
📌 ダラス・フォートワースが全国トップに!
上半期の**投資額トップはダラス・フォートワース(DFW)で、135億ドル(約1.98兆円)を記録。前年同期比89%増で、2位のサンフランシスコ(86億ドル/約1.26兆円)**を大きく上回りました。
特に開発用地の取引総額は681%増と爆発的な伸びを見せており、地価の上昇傾向を示しています。一方で、件数は7.5%減となっており、「高額取引へのシフト」が読み取れます。
🏘️ マルチファミリー取引も急増
DFWでは集合住宅(マルチファミリー)の取引件数が153件、取引総額は63億ドル(約9,261億円)に達し、それぞれ前年比90%増、140%増と急増しました。
ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンD.C.といった主要都市でも、オフィスビル市場が回復傾向にあり、特に自社利用目的の購入(エンドユーザー取引)が増加しています。
🔍 2025年は供給ピーク、来年は急減へ
今年はマルチファミリー新築供給が過去最高になると予測されている一方で、2026年には50%以上の供給減が見込まれています。建設費の高騰、関税不安、過剰供給への懸念が背景にあります。
今後は新築物件の供給減少により、既存物件への需要が高まり、稼働率も上昇が期待されています。実際、シカゴ・ロサンゼルス・ニューヨーク・サンフランシスコでは、空室率が5%未満と安定しています。
💼 投資家の顔ぶれにも変化
引き続きプライベートバイヤーが市場を主導していますが、DFWやD.C.では機関投資家が再登場し、特にデンバーでは投資家の41%以上が機関投資家でした。
投資用不動産市場は確実に回復の兆しを見せており、今後の下半期ではさらなる活発な動きが期待されます。