米国のオルタナティブ資産運用大手ブラックストーン(Blackstone)が、ここ数年で数十億ドル規模の賃貸住宅ポートフォリオを構築しています。その戦略と背景には何があるのでしょうか?
📦 ブラックストーンの賃貸住宅投資概要
- 主な取得ブランド
- Tricon Residential
- American Campus Communities(学生寮)
- AIR Communities(アパート)
- 保有物件:
- アパート
- 学生寮
- モバイルホームパーク
- 戸建て賃貸
- 地域集中:ニューヨーク、テキサス、ジョージア、フロリダなどサンベルト州
💬 戦略の核心は「人口と雇用の成長」
ブラックストーン不動産部門共同責任者キャスリーン・マッカーシー氏は次のように語ります。
「私たちの投資戦略は一貫しており、世界中で雇用と人口の成長が見込めるエリアに焦点を当てています。」
📊 数字で見るブラックストーンの規模
📌 指標 | 📈 数値 |
---|---|
米国賃貸住宅の総数 | 約4,600万戸 |
ブラックストーンの保有割合 | 1%未満 |
BREIT(リテール投資向けREIT) | 27.5万戸超の賃貸住宅を所有 |
不動産総資産 | $3,150億(約45兆円) |
BREITの資産規模 | $550億(約7.9兆円) |
🔥 購入が建設より有利な理由
MetLife投資マネジメントのウィル・パティソン氏は次のように分析。
「多くの市場で新規建設より既存物件の購入の方がコストが低い。これは新たなサイクル初期に典型的で、建設が制限されるため家賃の上昇を支えています。」
📖 歴史と進化
- 1991年:ブラックストーン不動産部門設立(機関投資家向け)
- 当初の戦略:LBO(レバレッジド・バイアウト)で不動産を再生
- 現在:投資家向けリテール商品(BREIT)も展開
モーニングスターのグレゴリー・ウォーレン氏は
「早期から分散投資の価値を認識していた」と評価。
✍️まとめ
- ブラックストーンは米国最大級の賃貸住宅オーナーに
- 戦略は人口・雇用増加エリアへの集中投資
- 新規建設コスト上昇が既存物件の購入を後押し
- 今後も賃貸市場の成長が資産価値を高める見通し