プロスポーツが商業不動産の巨大な推進力であることは周知の事実。しかし今、**アメリカでは子ども向けスポーツ(ユーススポーツ)**を中心に、数十億ドル規模の複合開発が相次いでいます。家族の時間とお金の使い方の変化が新たな市場を生み出しています。
📊 ユーススポーツ市場は年間5.2兆円規模に
- 現在の市場規模:$52B(約7.5兆円)
- 今後数年で:$77B(約11兆円)に到達予測(Sports Facilities Cos. CEO ジェイソン・クレメント氏)
- 家族の年間支出:1人当たり平均$1,500(約22万円)、旅行・宿泊費だけで$414(約6万円)
🏟️ 最新プロジェクト紹介
✅ The Dynasty(フロリダ州オコイ)
- 総開発費:10億ドル(約1,450億円)
- 敷地面積:159エーカー
- 設備:
- 150K SFのハイテクトレーニング施設
- サッカー・野球など17の多目的フィールド
- ホテル2棟、350K SFの飲食・エンタメ施設
- 年間予想来場者数:800万人
- 開発者:モンティエール・デベロップメント
✅ Legacy Pointe(イリノイ州スプリングフィールド)
- 総敷地:276エーカー
- Scheels Sports Park:6,700万ドル(国内最大のエアドーム含む)
- 公私連携(Public-Private Partnership)モデル
✅ AdventHealth Sports Park(カンザス州オーバーランドパーク)
- 総開発費:1億2,500万ドル
- 面積:420K SF
- 公的資金:5,300万ドルの税収ボンド
✅ Crossroads Sports Complex(イリノイ州ニュー・レノックス)
- 100エーカーの施設に隣接し、70エーカーの商業開発予定
💸 経済効果とビジネスモデル
- 複合施設の魅力:スポーツ大会だけでなく、家族全員が楽しめる「ディズニーワールド+ユーススポーツ」の融合型
- 滞在型経済効果:「試合は2時間、残り22時間はホテル・レストラン・ショッピング」
- 民間投資+公的支援:多くが地元自治体の土地提供や税制優遇を活用
⚠️ 業界の課題と動向
🌟 成功要因
- 複合用途(スポーツ+エンタメ+宿泊)で年間を通じた利用が可能
- 女子スポーツやラクロスなど新興競技の成長が市場を押上げ
💥 課題
- 過去の失敗例:アリゾナ州の$2.5億の開発案件で詐欺事件
- 参加率減少:ユーススポーツ参加率は**54.6%**とパンデミック前の56.1%から微減
✍️ まとめ
- アメリカではユーススポーツ×商業不動産の“ゴールドラッシュ”
- 巨大複合施設が続々誕生し、家族向け滞在型エンタメの新定番に
- 成功のカギは公私連携モデル・多様な収益源・地域密着型開発
- 「まだ過剰供給ではない。むしろ供給不足だ」と開発者たちは強調