米国のオフィス市場における空室率が、2025年第2四半期に**20.6%**に達し、6四半期連続で過去最高を更新したとMoody’s Analyticsが最新レポートで発表しました(7月発表)。
📉 空室率は5年で3.6ポイント上昇
- パンデミック前(2019年)は17.0%
- 今四半期は前期比+20bps(ベーシスポイント)
- 前年比+50bps
👉 政府機関によるリース終了も増加傾向。CBREによると、ワシントンD.C.では2025年上半期だけで85万SFの官公庁面積が消失。
🧑💻 リモートワークからの回帰も限定的
Moody’sは「オフィス出社義務の強化は、空室率の改善にほとんど効果を及ぼしていない」と分析しています。
💬 Moody’sコメント
「リセッションは回避されると見込むが、オフィスセクターは景気の不安定さに特に弱く、今後も下振れリスクが高い」
💸 家賃動向(Q2・全米平均)
分野 | 空室率 | 賃料 | 前期比 |
---|---|---|---|
オフィス | 20.6% | $28.45/SF | +$0.08 |
アパート | 6.5% | $1,832/月 | +$0.12 |
リテール | 10.5% | $19.27/SF | +$0.02 |
インダストリアル | 7.5% | $7.63/SF | ±$0.00 |
※1ドル=145円換算時:
- オフィス家賃:約月4,126円/坪
- アパート家賃:約月26万3,000円
📈 空室率が改善した都市(=需要が強い)
- バーミングハム(アラバマ州)
- パームビーチ&マイアミ(フロリダ州)
- ウィチタ(カンザス州)
- コロンビア(サウスカロライナ州)
📉 空室率が悪化・賃料が下落した都市
- ナッシュビル(テネシー州)
- デンバー(コロラド州)
- シアトル(ワシントン州)
- ポートランド(オレゴン州)
- サンノゼ(カリフォルニア州)
📝 まとめ
- 米国オフィス市場は厳しい局面が続く
- 空室率は6期連続で過去最悪、テック都市が特に下落傾向
- 一方でアパート・インダストリアルは安定的
- 投資先としては地方都市やマルチファミリー型住宅に注目が集まるかも?