モバイルアプリ導入で業務効率化と従業員のモチベーション向上を実現
カリフォルニア州では、新たに施行された州法「AB 2801」により、アパートの入退去時における詳細な記録作成が義務付けられました。具体的には、時間スタンプ付きの写真や物件状態の詳細な記録が必要とされ、敷金精算の透明性とトラブル防止が目的とされています。
この規制強化により、現場の物件管理チームには大きな負担がかかっており、写真の手動アップロードやファイル整理、明細作成に多くの時間を費やしているのが現状です。
こうした中、南カリフォルニアを拠点とするThe REMM Groupは、AppWorkというモバイル業務アプリを導入し、業務のデジタル化と効率化を図っています。同社のWindell Mollenido副社長(マーケティング&テクノロジー担当)によると、「以前は1件1時間かかっていた作業が、15~20分に短縮され、1日に複数件の対応が可能になった」といいます。
■ スコア制とリーダーボードで従業員の意欲向上
AppWorkにはゲーミフィケーション機能もあり、メンテナンス技術者の業務成績がスコア化される仕組みが導入されています。
- 作業完了後にスコアが加算
- 同僚との比較ができるランキング機能(リーダーボード)あり
- 再訪問(クレーム)が発生すると減点され、正確な作業が奨励される
これにより、作業者のモチベーションが向上し、HVACや配管など専門分野の技術向上にもつながっています。
さらに、スコアは昇進評価にも反映され、表彰や賞品の提供といったインセンティブも用意されています。
■ デジタル化の波が進む現場
REMM Groupは、南カリフォルニアの52物件において、約70~75人の技術者を雇用し、このアプリを本格運用中。
Mollenido氏は「スタッフは速さだけでなく、質の高い作業を意識するようになった。結果的に、修理コストや労務コストの削減にもつながっている」と語っています。