ニューヨーク市の家賃ガイドライン委員会(RGB)は2025年5月1日、家賃規制(rent-stabilized)アパートの賃料引き上げ幅について仮決定を行いました。
この動きは、約100万戸以上の家賃規制住宅に影響し、テナントとオーナーの両方から強い反発が出ています。
📝 仮決定の内容
・1年契約:+1.75% ~ +4.25%
・2年契約:+4.75% ~ +7.75%
※最終決定は6月末、10月1日以降のリースに適用予定
🏚️ オーナー側:「それでも足りない」
・保険、修繕、金利等の維持費が6.3%上昇(RGB報告)
・上限値上げ幅がこれを下回っており、採算困難
・築1974年以前の家賃規制物件の25%が「経済的困窮」状態
・一部は前回売却価格の50%以下で売却されている
「この上限では、最も困っている建物の維持ができず、住宅品質がさらに劣化する」— Kenny Burgos(NYAA CEO)
🧮 問題の根幹:データの解釈を巡る対立
・RGBは2022→2023年に家賃収入が+8%と報告
・NYAAは「自由賃貸住宅を含む誤った平均」として反発
・高級物件のデータが混在しており、現場実情を反映していないとの指摘
🏠 テナント側:「それでも高すぎる」
・市議・監査役らが「家賃凍結」を要求
・エリック・アダムス市長は7.75%の上限に反対
「市全体が住宅危機と1.4%という超低空き率に苦しむ中、7.75%の家賃上昇は過大な負担です」— Eric Adams(NY市長)
📅 今後のスケジュール
・5月22日:最初のパブリック・ヒアリング(公聴会)
・6月下旬:最終
決定(9名の投票)
投資家へのアドバイス
・家賃規制物件の収益性は厳しい
・融資では個人保証の要求が増加
・築古物件の修繕費・流動性の低さはリスク
・一方、NY市の住宅需要は非常に強く、長期的資産価値は高い