10月は前年同月比+20%、住宅市場に“ひび割れ”の兆候も?
2024年以降、歴史的な低水準が続いてきたアメリカの競売関連件数(Foreclosure filings)が、2025年10月にかけて再び増加傾向を強めています。
Attom社の最新データによると、競売関連の新規開始(Foreclosure starts)は前年比20%増、競売完了は32%増となり、住宅市場のストレスが徐々に表面化し始めている可能性が示されています。
📈10月の競売関連件数:3.6万件
➤ 前年比+19%、8ヶ月連続で増加
2025年10月、競売関連の通知・競売予定・銀行差し押さえ後の没収など
(Foreclosure filings)を受けた物件は36,766件。
- 前月比:+3%
- 前年比:+19%
- 8ヶ月連続の前年比増加
Attom CEO ロブ・バーバー氏は、現状をこう説明します。
「まだ歴史的な高水準にはほど遠いが、市場環境の変化で“競売の正常化”が進んでいる。」
🔍競売件数が多い州ランキング
競売関連の件数が特に多かった州はこちら:
■ 競売関連“全体”で多い州
- フロリダ
- サウスカロライナ
- イリノイ
■ “競売完了(Completed foreclosures)” が多い州
- テキサス
- カリフォルニア
- フロリダ
これらの州では、保険料の高騰や住宅価格の調整が重なり住宅ローン返済が難しくなるケースが増えていると見られています。
🏙️都市ランキング:フロリダ勢がTOP3独占
都市別で競売関連件数が多かったのは以下の通り:
- タンパ(フロリダ)
- ジャクソンビル(フロリダ)
- オーランド(フロリダ)
- リバーサイド(カリフォルニア)
- クリーブランド(オハイオ)
フロリダの3都市が上位を占めており、地域特性が表れています。
📉住宅市場への影響:深刻ではないが“要注意”
競売率を見ると、現在は0.5%以下と、リーマンショック期(約4%)と比べれば
依然として極めて低水準。
また、在庫不足と低価格帯需要の強さから、競売物件は市場に出れば即売れする可能性が高いと言われています。
しかし、CJ Patrick Co. CEOのリック・シャルガ氏は、以下のリスクを警告。
「FHAローンの延滞率は11%を超え、深刻延滞の52%がFHA。
2026年に競売が本格的に増加する可能性がある。」
💹競売増加の背景:複数要因が同時進行
競売関連の増加には、以下のストレス要因が影響しています:
- 住宅価格が依然高く、買いやすくなっていない
- 住宅ローン金利が高止まり
- 想定していた“借り換え”ができず返済負担が増加
- 保険料の急騰(特にフロリダ・テキサス)
- 消費者負債が過去最高を更新
- クレジットカード・自動車ローン延滞も増加
- 雇用環境が弱まりつつある
これらが複合的に重なり、今後も競売関連は“緩やかに増加傾向”が続く可能性があります。
💬投資家への示唆:どこに“チャンスとリスク”があるか?
競売関連の増加は、投資家にとって以下の意味を持ちます:
🔎 チャンス
- 競売完了物件は売却価格が低く市場に出やすい
- 在庫不足のため現金買いが強い投資家に有利
- 低価格帯は需要が強く、再販売しやすい
⚠️ リスク
- フロリダ・テキサスは保険料高騰でデフォルトが増える傾向
- FHAローン比率の高い地域は今後リスク増大
- 景気減速・雇用悪化で延滞増加が予測される
- 市場のひび割れが本格化する可能性も
2026年に向けて、“どの州・どの価格帯で競売が増えるか” が重要な判断材料になります。