アメリカでは、入居者のニーズが大きく変化しています。
しかし、開発業者や大家(オーナー)は、その変化に十分対応できていないようです。
調査会社RCKRBXが発表した「全米入居者需要指数(National Renter Demand Index)」によると、パンデミック後、入居者が求める住まいの形が大きく変化していることが明らかになりました。
💡 半数の入居希望者が「予算を上げても良い」
全米2,342人を対象にした調査では、46%が「次に引っ越すときは予算を増やす」と回答。
特に、リモートワークやハイブリッド勤務など、柔軟な働き方をする層に多く見られます。
一方、20%は家賃を下げたい派、17%は現在の契約を更新予定という結果でした。
つまり、多くの入居者が「より良い住まい」にシフトし始めているのです。
🏘️「広い間取り」への需要が急増
供給と需要のギャップが最も大きいのは間取りです。
調査では以下のようなミスマッチが明らかになりました。
間取り | 需要 | 供給 |
---|---|---|
スタジオ | 4% | 12% |
1ベッド | 21% | 41% |
2ベッド | 52% | 39% |
3ベッド | 23% | 8% |
特に2〜3ベッドルームのニーズが急増しており、今後3年間でこのギャップはさらに拡大すると予想されています。
🧭 働き方・ライフスタイルによる違い
入居者の半数(52%)は「今後も賃貸を続ける」と回答。
一方で、28%は「更新しない予定」、33%は「未定」としています。
また、現在の住宅所有者の3人に1人(33%)が次の住まいは賃貸にする可能性があると答えています。
働き方の内訳を見ると、
- オフィス勤務・現場勤務:54%
- ハイブリッド勤務:33%
- フルリモート勤務:13%
地域別では、**テキサスや南西部ではオフィス勤務が63%**と最も高く、
**中東部(Mid-Atlantic)ではリモート勤務が18%**と最多でした。
🏡 入居者タイプ別の傾向
調査では、入居者を大きく2タイプに分類しています。
- 実利を求める層(77%):安全性・家賃重視
- 流行を好む層(23%):ペット可・アメニティ重視
また、今後6か月以内に引っ越しを検討する層の55%は年収25万ドル以上。
若年層ほど長距離引っ越しや**Build-to-Rent(戸建て賃貸)や(タウンハウス)**への移行を検討している傾向があります。
参考ですが、ChatGPTとGeminiで調べたところ、アメリカで「$250,000以上」の収入を得る世帯は米国全世帯のだいたい9〜10%程度、世帯数で言えばおおよそ 1,100万〜1,400万世帯規模になります。日本の世帯において年間収入が3,750万円以上の世帯は、総世帯数(約5,500万世帯)の0.1%未満、つまり約5.5万世帯よりもさらに少ないと推定されます。
💬 開発業者へのメッセージ
RCKRBXのCEO、マイケル・ブローダー氏は次のように述べています。
「入居者の意識の変化に合わせた開発を行う企業こそが、今後の市場で高いパフォーマンスと価値を実現するだろう。」
市場が大きく変わる中で、**「広さ」「快適さ」「柔軟性」**を兼ね備えた賃貸住宅の供給が、今後の成長の鍵となりそうです。